体を張る天竺鼠・瀬下、千鳥からのメールに「本気で泣いた」

2021.7.14 20:05

リモートインタビューも全力で挑んでくれた天竺鼠・瀬下

(写真12枚)

気合いと根性で見つけた「自分から体を張りにいくスタイル」

──瀬下さんは出演番組で「これは自分にしかできない」と定番のようにおっしゃっていますけど、天才的な川原さんらが身近にいて、ある種のコンプレックスもあったのかなって。それが「自分にしかできない」という言葉につながっている気がします。

それは間違いなくありますね。自分にはなにができるんやろうって考えていましたから。お笑いのロケってあらかじめ「これをやってください」と指示をされて、「え、怖い怖い!」とか言いながらやるもの。だけど自分から辛いものを食べたり、ハバネロを顔に塗りたくったりすることは僕しかやっていない。今では、体を張れないときの方がきつい。トークコーナーとか。「ピンチ」のことを「チャンス」と表現していますが、もっともっと追い込まれたいんです。

「最近、嫁が『保険をもうワンランクあげないか』と言ってきて。なんか嫁のことがちょっと怖くなってきた(笑)」と笑う天竺鼠・瀬下

──現在では体を張り、鼻水やよだれを垂らして顔をグシャグシャにする瀬下さんがテレビで映し出されています。だけどかつての瀬下さんは「よしもと男前ランキング」の常連だったじゃないですか。男前芸人で売っていく道もあったはず。

お笑い芸人をしている以上、そこに利点を感じませんでした。確かに当時は僕も若かったから、そういうことにもプライドを持っていたのは事実。だけど結婚してパパになり、歳をとって太り出しておもしろい体型になってきて、さらに体を張って自分がグシャグシャになったとき、プライドが一気になくなりました。そして、そうなってから仕事が楽しくなりました。

──若手時代はかなりプライドが高かったのですか。

「こういうお笑いはしたくない」とか自分のなかでありましたね。大して笑いもとれないのに。だけど家庭ができてから、関係なくなりました。なりふり構わずやっていこうって。

「僕は今、罰ゲームの途中なんです」

──瀬下さんには「元ヤンチャ芸人」という売り出し方もありましたよね。現在でも、ケンカのエピソードを披露することはありますが、でも以前ほどそういう話を好んでいない気がするんです。

もちろん求められたら話します。でもこれは話したことがないのですが、僕のように体が大きく、強面なタイプが威圧感を漂わせてヤンチャ話をすると、いじめられた経験を持つ人はトラウマがよみがえると思うんです。自分の子どもがもしいじめられて、芸人のヤンチャなエピソードを聞いて嫌な気持ちになったら親としてもつらいですし。だから確かに、以前ほどそういうネタは出さないようになってきました。

自ら体を張る天竺鼠・瀬下

──先ほど、「禊のためにセシタマンをやっている」とおっしゃっていましたね。

そう。昔、自分が傷つけてしまった人や迷惑をかけた人たちへの禊なんです。全然、足りないですけどね。だから僕は今、罰ゲームの途中なんです。僕に殴られて恨みを持っていたり、嫌いだという人が、「うわー、瀬下ってこんなことやってるんや」と思ってくれたらそれで良い。そして、そういう人らといつか酒を飲むのが夢なんです。僕に殴られた人と飲みにいく企画をYouTubeでやりたい。全員ええ歳のおっさんになって、飲みながら「あのときはどうやった」とか。

──それは瀬下さんにしかできない企画ですね。

年齢を重ねるにつれて、人というものが好きになってきたことも理由です。以前は人を敵対視ばかりしていましたから。だからケンカをしていたし、芸人になりたてのときも「俺らが一番おもしろい。あいつらは全然アカン」と人を見下していた。本当に偉そうな人間でした。申し訳ないです。

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