朝ドラのモデル「松竹新喜劇の源流は演劇」寛美の孫・扇治郎

2020.12.27 06:45

祖父の喜劇役者・藤山寛美らが立ち上げた「松竹新喜劇」であっけらかんとした明るさを武器に、笑いと人情にあふれた世界を支えている俳優・藤山扇治郎

(写真8枚)

連続テレビ小説『まんぷく』(NHK/2018年下期)に出演し、好きな女性に缶詰を贈りまくる調理師・野呂というユニークなキャラで、一躍知名度を上げた俳優・藤山扇治郎。

祖父の喜劇役者・藤山寛美らが立ち上げた「松竹新喜劇」に2013年に入団し、あっけらかんとした明るさを武器に、笑いと人情にあふれた世界を支えている。

現在放送中の朝ドラ『おちょやん』の主人公のモデルとなった女優・浪花千栄子も在籍した「松竹新喜劇」。2021年の元旦に開幕する『初笑い! 松竹新喜劇 新春お年玉公演』を前に、新喜劇への彼の熱い胸のうちを訊いた。

取材・文・写真/吉永美和子

「新喜劇って、共感のお芝居なんですよ」(扇治郎)

──今回は、Aプロが座長の渋谷天外さん主演の『二階の奥さん』、Bプロが扇治郎さん主演の『鴨八ネギ次郎』ですが、どちらもあまり重さのない、明るく笑える名作ですね。

新喜劇のレパートリーって、大きく分けると「爆笑」「泣き笑い」「考えさせる」の3つのパターンがあるんです。泣きながら笑うような作品も多いけど、1本しかやらないのなら、お正月にあまり悲しくなる話もね(笑)。コロナが不安なときだからこそ、カラッと笑っていただきたいし、どちらも不安を忘れていただける力のある作品だと思います。

──『鴨八……』は、私生活では仲の悪い男女の漫才師と、子どもたちに隠れてこっそり付き合っていたお互いの親同士の、恋の顛末を描く喜劇です。扇治郎さんは、お祖父さまも演じた漫才師・ネギ次郎役に初めて挑むことになりますが。

仕事はちゃんとやるけど普段は意見が合わへん、って関係は日常でもよくあると思うんですよ。でもこのコンビは、実は心のなかではお互いまんざらでもなくて、相手を気にしてるからこそ言い合いになってるんじゃないかと。その関係を上手く見せると同時に、漫才師らしくポンポンと、テンポよくお芝居ができたらいいなあと思っています。

──ネギ次郎の母親を演じる、ゲストの久本雅美さんは「思い切り(相手役と)イチャイチャしたい」と意気込んでましたが、息子役としてはこの親子関係をどう思われますか?

でも新喜劇って、共感のお芝居なんですよ。ほかの演劇って、現実じゃないところ・・・見得を切るとか空を飛ぶとか、お芝居だからこその世界が面白い、っていうのがあるじゃないですか? でも新喜劇はどちらかというと、日常と芝居が共存している。だから「あ、うちの家もそうやな」とか思えるところが、意外とあるはずなんです。

会見で見つめ合う松竹新喜劇の代表・渋谷天外(右)と藤山扇治郎(12月10日・大阪市内)
会見で見つめ合う松竹新喜劇の代表・渋谷天外(右)と藤山扇治郎(12月10日・大阪市内)

──信頼してるから逆にキツいことを言う関係とか、「え、うちの親ってそんな人と付き合ってたの?」とか、割と近いケースは浮かびますね。

そうですよね。登場人物と自分を重ねて感情移入してもらったり、共感していただくことで、お客さまに喜んでもらおう・・・というのが「喜劇」だと思うんです。僕は子どもの頃、新喜劇ってあまり観てなかったんですけど、大人になって・・・まして結婚をすると、身につまされることが結構描かれてるなあと(笑)。その部分でも、やってて難しいけど、やりがいのある世界だと思います。

『初笑い!松竹新喜劇 新春お年玉公演』

日程:2021年1月1日(祝・金)〜7日(木)
会場:南座(京都市東山区四条大橋東詰)
料金:一等席6000円、二等席3000円、三等席2000円
電話:0570-000-489

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