『正倉院展』にまつわる「閉封の儀」とは?天皇勅使立ち会い

宮内庁正倉院事務所・西川明彦所長が先導し西宝庫に向かう様子(11月27日撮影)
毎年11月下旬に宮内庁正倉院事務所(奈良県奈良市)の西宝庫で執りおこなわれる『閉封の儀(へいふうのぎ)』をご存じだろうか?
奈良時代の聖武天皇ゆかりの正倉院宝物は、約1300年もの間、天皇の勅封(ちょくふう)により守り伝えられてきた。天皇の許可なく封を解くことができないのも一因となり、奇跡的な保存状態の良さで現存しているのが特徴だ。
正倉院宝物は、かつて校倉造(あぜくらづくり)の正倉院正倉(国宝)に納められていたが、現在は、鉄骨鉄筋コンクリート造りの西宝庫(昭和37年建造)に納められている。

年に1度だけ、毎年10月初旬(今年は10月2日)の『開封の儀(かいふうのぎ)』で天皇の勅使(ちょくし)立ち会いのもと、宝庫の封が解かれ、11月下旬に同じく勅使立ち会いのもとで再び宝庫が封じられる(閉封の儀)。この開封期間中(約2カ月間)に、宮内庁正倉院事務所保存課の職員達が約9000件にも及ぶ正倉院宝物の一点一点を丁寧に点検し、防虫剤の交換などをおこなっている。
そして、開封期間中の約2週間にわたり、毎秋、奈良国立博物館で開催されるのが『正倉院展』だ。ここで保存状態の良い宝物の一部(約60件)が一般公開される。
今年の『閉封の儀』は11月27日に執りおこなわれた。午前10時頃、正装の宮内庁正倉院事務所・西川明彦所長が先導し、勅使(侍従)、勅封の紙(6枚)を持った随行(侍従職係員)、計14名の行列が玉砂利を歩いて宝庫前に到着。お手水で口や手を清めてから宝庫のなかへ入った。
宝庫内部は2階建てで北倉・中倉・南倉の各6つの部屋に分かれており、それぞれ6カ所の扉に海老錠(えびじょう)と呼ばれる鍵がかけられる。その上に竹の皮に包まれた天皇陛下直筆の勅封の紙が麻縄で巻かれた。儀式は1時間ほどで、宝庫の内部で執りおこなわれるため、実際に見ることはできない。扉が再び開くのは、来年の秋。この儀式が終わると奈良に本格的な冬が訪れる。
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