赤信号の大阪、学校は通常教育を継続「感染対策し活動を」
新型コロナウイルスの感染拡大により、「大阪モデル」がレッドゾーン(非常事態)に入った大阪府。そんななか12月3日、学校教育活動は通常授業を継続し、授業時数のひっ迫を回避することに軸足をおくことが決定された。
すでに7月3日には、レッドゾーンに移行した際の授業形態を検討していた大阪府。人数を15〜20人程度の分散登校にし、感染リスクの高い活動をせずに感染症対策を徹底するという前提で、教育活動を継続する方針を決定していた。
しかしそれから4カ月経過した11月11日に、「日本小児科学会」から医学的知見が発表。そこには「1.学校や保育所のクラスター報告数は社会全体から見ると多くない。2.20歳未満の患者は無症状から軽症が多い。3.学校閉鎖は流行阻止効果に乏しい。4.屋外活動や社会的交流を減少することは子どもの心身に影響を及ぼす」と記載があった。
これをふまえ、レッドステージに移行したとしても分散登校や短縮授業をおこなわず、1教室40人の通常形態で教育活動をおこなえるよう、府の対策本部会議で検討。
また、音楽の合唱や体育の組体操、家庭科の調理実習など特定の教育活動については、長時間密集したり近距離で対面になる形式のため、避けることを盛り込んだ。
大阪府教育委員会の酒井隆行教育長は、「医療がひっ迫するなか、学校の一斉休業による授業時数の確保もひっ迫している。このペースなら何とか時数が確保できるため、そこに軸足を置いて判断をお願いしたい」と訴えかけた。
それを受けて吉村洋文知事が、「子どもの感染状況を見たとき、インフルエンザとは違う特性がある。きちんと感染対策をとりながら、専門家の意見をふまえた形で教育活動はしっかりやっていただきたい」と同意し、方針が決定された。
そのほか、保護者や児童生徒が不安な場合は出席停止扱いとし、オンラインを活用した学びを保証すること。修学旅行など校外学習について、移動先の都道府県が受け入れを拒否している場合は中止にすること。
さらに入学者選抜については、換気の徹底やマスクの着用、体調不良者の別室受験など対策を徹底し、1月にマニュアルを作成して配布することが決まった。
取材・文・写真/岡田由佳子
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