レトルトで世界一周!? 神戸から約60種の郷土料理を発信

2020.11.23 16:15

オーナーシェフの本山尚義さん。フレンチのシェフとして活躍し、その後イタリア料理、地中海料理、インド料理、アジア料理などさまざまな料理を修めた

(写真6枚)

自宅で「世界旅行気分が味わえる」と、注目を集めている食品ブランド「世界のごちそう博物館」。手がけるのは世界30カ国を旅した料理人・本山尚義さんだ。現在は珍しい郷土料理約60メニューをレトルトで再現、その背景や思いについて訊いた。

もともと、神戸で17年にわたりレストラン「パレルモ」(現在は閉店)を経営していた本山さん。そこでチャレンジした、全世界195カ国の料理を隔週で提供する「世界のごちそうアースマラソン」という企画が原点にあるという。

「世界を旅して感じたことは、料理には各地の風土と文化が反映されているということ。そこには侵略や差別、貧困などの黒い歴史も。さまざまな食文化が影響し合い進化してきたというルーツを紐解けば、地球は繋がっているということを実感します。『おいしい』と感じるだけではなく、世界のことを知り、色々な価値観を認めるきっかけとなれば」と、本山さん。

先述の企画は2014年から2年かけてやり遂げたが、ちょうどレストランとしての限界を感じたという。「15席の小さなお店だったので、提供できる人に限りがあり、材料のロスも多くありました。そこでレトルトなら、多くの人に味わってもらえるしロスも無くせるのではと思って」と、2016年に同ブランドを立ち上げたのだそう。

ヨーロッパ、アジア、南アメリカ、アフリカなどの郷土料理で、いずれも神戸のアトリエにて本山さんがひとりで手作り。レシピは現地で学んだものや、大使館のスタッフに教わったものをベースに現地の味に近づけつつ、日本人にもなじみやすいようアレンジ。パッケージはその国や料理をイメージしたかわいいイラストが飾り、裏面ではその料理にまつわる文化や歴史などを紹介する。

ケニアの「スクマイキ(ケールと牛肉のトマトシチュー)」、ガボンの「ムアンバ(鶏肉とトマトのピーナッツシチュー)」など珍しい料理がラインアップするなか、今年の自粛期間中、話題となったのがスペイン・カスティーリャ地方のアホスープ。

ブラジルのバイーア地方で食されるココナッツと野菜の煮込み料理「ムケッカ」をベースにしたブラジル風ピラルクのココナッツ煮込み980円

「ニンニクをたっぷり使っていることから免疫力のアップを期待された方の購入が急増。アホスープをきっかけに他の料理に興味を持ちリピートしてくださる方も多くなりました」と説明する(アホはスペイン語でニンニク)。

また、日本ではなかなか手に入らない食材を使った珍食材シリーズも人気。例えば、ブラジルに聖俗する世界最大の淡水魚ピラルクを使用したココナッツ煮込み。「体長2~3mにもなるピラルクを現地から仕入れ。コロナ禍の影響で仕入れが困難になってきたので、売り切れ次第終了になるかも。コロナ禍で僕自身も世界が繋がっていることを改めて実感しました」と本山さん。

海外旅行に再び気軽に行ける日が待ち通しい昨今、まだ見ぬ土地への思いを馳せるきっかけとなりそうだ。販売はオンラインショップのほか、関西では「国立民族学博物館 」(吹田市)のミュージアムショップ、「ミズ倶楽部センター」(神戸市)などで販売。

取材・文・写真/杉田裕路子

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