「米国音楽の良心」ザ・バンドが映画に、名曲と語りで辿る

2020.10.29 19:45

ザ・バンド (C)Robbie Documentary Productions Inc. 2019

(写真11枚)

1960年代後半から70年代にかけてのロックの激動期に活躍し、豊かな米国ルーツ・ミュージックの遺産を独自の形で継承した音楽性で数多くの名曲・名作を残したザ・バンド。

デビューから『ラスト・ワルツ』の解散コンサートまでが語られるドキュメンタリー映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』(10月30日公開)は、長年のファンにも最近に知ったビギナーにも興味深い作品となっている。

サイケデリック・カルチャーが台頭し、よりラウドで過激な音へとシーンが向かっていた68年に発表された、郊外のウッドストックに移住して制作された彼らのデビュー作『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』は、真逆の衝撃を聴く者にもたらした。

地味だが滋味に溢れ、土臭く、ノスタルジックなのに斬新で、スローでハーモニー豊かだが、グルーヴはタイト。5人のメンバーのうちの3人が楽器を演奏しながらリード・ボーカルを兼任し、複数の楽器をこなすマルチ奏者でもあったザ・バンドが産み出した音楽は、エリック・クラプトン、ブルース・スプリングスティーン、ジョージ・ハリスン、日本においても細野晴臣や佐野元春などと世界中の大物音楽家たちにも影響を与え、現在も世代を越えて聴き継がれている。

そんな偉大な「米国音楽の良心」の足跡を、リーダー格だったロビー・ロバートソンによる当時を振りかえった語りを中心として進行していくのが、ドキュメンタリー映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』だ。

映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』本予告

モホーク族インディアンの母親とユダヤ人の父親の間にカナダで生まれ、ロックンロールの洗礼を受けてギターに没頭したロビー少年は、15歳から作曲を始め、米国南部からカナダに拠点を移してきた「ロカビリーの帝王」ことロニー・ホーキンスのバック・バンドに加入し・・・と、話はロバートソンの生い立ちから幕を開ける。

そこで、少し年上のガース・ハドソン以外はまだ10代だった5人のメンバーが集まり、やがてロニーのもとから独立して米国のニューヨークに進出した彼らは、フォークの旗手からロック色の強い新境地を打ち出そうとしていたボブ・ディランのバックを務めるようになって・・・と話は進んでいくが、バイオグラフィーなどを読んでよく知った気になっていたことも、当時の映像や写真、本人たちの証言を交えながら改めてリアルに追体験できる。

ロビー・ロバートソンによる語りで振りかえっていく (C)Robbie Documentary Productions Inc. 2019

映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』

10月30日(金)シネ・リーブル梅田、アップリンク京都
11月6日(金)シネ・リーブル神戸

監督:ダニエル・ロアー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ、ロン・ハワード
原案:「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」(ロビー・ロバートソン著、奥田祐士訳、DU BOOKS刊)
2019年/カナダ、アメリカ
101分
配給:彩プロ

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