美術家の森村泰昌「今の世の中の異常性を確認したかった」

2020.10.2 19:15

《レンブラントの密》1994年/2020年

(写真11枚)

美術家・森村泰昌の個人美術館「モリムラ@ミュージアム」(大阪市住之江区)で、展覧会『北加賀屋の美術館によってマスクをつけさせられたモナリザ、さえも』が、開催されている。コロナ禍の社会をテーマにした問題提起型の企画だ。

本展は「距離愛のコース」と「密の味コース」の2室で構成。「距離愛」では、森村がモナリザに扮した自作にマスクを付け加えた作品などを「距離」を取って展示。「蜜の味」では、ベラスケス、レンブラント、女優をテーマにした旧作が、間隔を置かず「密」に展示されている。

《裸にされたモナリザ、さえも》1998年/2020年 この作品にはレンチキュラーが使用されており、見る角度によってモナリザがヌードになる

ちなみに長文の展覧会名は、現代美術の祖というべきマルセル・デュシャンの代表作《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》からの引用である。また、観客がアベノマスク(未使用に限る)を持参すれば、その場でオリジナル加工を施してくれる「アベノマスク再生プロジェクト」も実施している。

本展について森村は「私が今回の展覧会でお見せしたいのは、コロナという事態をおもしろおかしくパロディ化することでも、茶化すことでもありません。今世の中で起こっている事態を冷静に見つめなおした時に感じられる『異常性』について確認しておきたかった」と話す。

三密、ソーシャルディスタンス、新しい日常といった言葉に慣れ切ってしまった今だからこそ、森村の批評精神に満ちた問いかけを受け止めたい。本展は12月20日までの金・土・日曜に開館。料金は一般・大学生600円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『北加賀屋の美術館によってマスクをつけられたモナリザ、さえも』

期間:2020年9月18日(土)~12月20日(日)の金土日 
時間:12:00~18:00 
会場:モリムラ@ミュージアム(大阪市住之江区北加賀屋5-5-36 2F)
料金:一般・大学生600円、高中生200円、小学生以下無料
電話:06-7220-6985(金土日曜12:00~18:00)

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