昆虫食ユーチューバーの近大生、日本初コオロギコーヒー開発

2020.10.4 19:15

昆虫食YouTuber「昆Tuber」こと、昆虫食活動家の清水和輝さん

(写真2枚)

「無印良品」がコオロギせんべいを販売するなど、近年注目を集める「昆虫食」。そんななか、昆虫食YouTuberとして活動しているという近畿大学農学部の学生を発見。9月19日から昆虫食を身近にするために開発した「コオロギコーヒー」の販売を開始したとのことで、清水和輝さんに話を訊きました。

──初めまして! 昆虫食好きな方が想像以上のイケメンで戸惑っています(笑)。清水さんはいつから昆虫食が好きなんですか?

ありがとうございます(笑)。きっかけは高校2年のときです。テレビで芸人さんが昆虫を食べているシーンで、最初は嫌がっていたのに「食べてみたらおいしい!!」と感想を言っているのを見て興味を持ちました。

その後、イナゴの佃煮を食べる機会があって、食べてみたら本当においしくて・・・そこから、教室でよく昆虫を食べていて、変人扱いされていました。

──なかなかクレイジーな高校生ですね・・・。大学では環境のことを学んでいるんですか?

そうです! 昆虫食って、実は環境に良いんですよ。

──ええ!そうなんですか?

昆虫は栄養価がかなり高くて、生育時も地球に有害物質を出さないため、世界的に昆虫食の注目が高まっているんです。FAO(国連食糧農業機関)の報告書がきっかけで、SDGsの取り組みの一環にもなっています。そんな昆虫の魅力を伝えるために、まず今年の5月から昆虫食YouTuber=昆Tuberを始めました。

──昆虫すごいですね・・・。

昆虫って、ゲテモノっていうイメージがあるじゃないですか。でも、地球を救うすごい食材なんです! この魅力をより多くの人に分かってもらいたくて、試食イベントなども開く予定だったんですがコロナの影響でできず・・・。なので、みんなが家で楽しめるような商品開発をしようと、「コオロギコーヒー」の制作に挑戦しました。

──なぜコオロギなんですか?

昆虫食のなかでコオロギがメジャーなんですよ。小スペースで大量生産ができて、3カ月で大人になるので、安定して供給できるから。無印良品の「コオロギせんべい」は比較的食べやすくて、挑戦しやすいと思います。

Cricket(=コオロギ)ブレンドコーヒー(中挽き1袋100g/2000円)

──おお・・・。まだコオロギには抵抗感ありますが。

コオロギコーヒー、飲んでみてください! 昆虫を使ったコーヒーは、私たちが調べたなかでは世界初なんです。今回は大阪・天満のコーヒー店「サンワコーヒーワークス」の店主で、全国4位のコーヒー焙煎士・西川隆士さんに協力いただき、何回も試作を重ねてコオロギっぽさを残しながらもおいしく飲めるコーヒーを開発しました。

──コオロギっぽさ!?

フタホシコオロギの粉末を20%配合したコーヒー豆で、独特の旨みが感じられると思います。

──コーヒーなら飲めるかも。試してみます。

ぜひ。多くの人に知ってもらうためにクラウドファンディングをおこなったんですが、たくさんの方々から反応いただきうれしかったです。とくに「昆虫食に興味あったけど、なかなか手を出せなかった」という人が多くて。19日から販売していますが、購入者からは「飲みやすい」と好評いただいてます!

──確かに、日頃なかなか出合えませんよね。清水さんの今後の展望は?

僕は、これから絶対に昆虫食が一般食になると思っています。形から見ると抵抗感がある人が多いかもしれませんが、本当においしい。ゲテモノから食材にしたいですね。昆虫食が世界を救うと信じて、さまざまな場所で活動したいと思います。

──応援しています!ありがとうございました。

清水さんに熱弁いただいたあとも「コオロギコーヒー、おいしいのか?」と疑問があったものの、実際に淹れてみたらおいしかったです。ほんのり感じる香ばしさが「コオロギっぽさなのか?」と思いましたが、抵抗感はまったくなく飲めました。昆虫食のレストランも登場してきており、スーパーで当たり前に昆虫が並ぶ日も遠くないかもしれません。

今回制作した「クリケットブレンドコーヒー」は、中挽き1袋100gで2000円。昆虫食通販の『バグズファーム』や清水さんが主催する『昆tubeちゃんねる』で取り扱うほか、大阪難波にある爬虫類カフェ「ロックスター」での提供も始まる予定。

取材・文・写真/小田切萌

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