かき氷は今や予約が当たり前、その理由は?

2020.9.8 17:15

「こおり屋 bambu」の過去のメニューより。宮崎マンゴーのソースと果肉、ココナッツミルク。中にはゴールドバレルパインのジャムを入れた宮崎マンゴー

(写真6枚)

「かき氷を食べるのに予約が必要!?」と驚く人も多いかもしれないけれど、WEB予約制を取り入れているかき氷店が関西で増加傾向に。最近では、1年中行列ができる人気のかき氷店「ほうせき箱」が、9月1日から店頭での整理券配布を中止し、試験的に完全WEB予約制を導入。はたして、その理由はなぜなのか?

三密を避けるためにもWEB予約制が有効

「かき氷は氷を削ってシロップをかけるだけだし、作るのに時間もかからないでしょ?」と思われる方もいるかもしれない。ただ、それは昔の話。かき氷好きがわざわざ足を運ぶお店の多くは、これまでのかき氷の作り方とまったく違う。

ふんわりと口どけの良い食感にするために氷を適温になるよう管理し、どの部分を食べてもしっかり味がするように削りながら何度もシロップを打ち、味のアクセントになるような具材を氷の中に潜ませたり、トッピングをのせたりと、とても手間がかかっているのだ。削り手が1人しかいない個人店では、1つのかき氷を完成させるのに、3~5分かかるというお店も珍しくないのが実情だ。

9月に入っても残暑は厳しく、各地の人気かき氷店には未だ行列が当たり前。毎年7~9月頃までは早朝(ときには始発前!)から整理券を求める人が長蛇の列を作っていたため、奈良を代表する人気かき氷店の「ほうせき箱」(奈良市)は、近隣店舗に迷惑をかけてしまうことが気がかりだったという。

「ほうせき箱」の秋限定かき氷。アッサムミルクと青りんご1200円。長野県産ブラムリーを使用

「今年からWEB予約と整理券を併用しましたが、WEBのみにすることで席数をきちんと管理でき、整理券配布のために早くから出勤していたスタッフの負担軽減になると思います。密を避けることができるコロナ対策にもなる。予約が埋まらなかった場合は、当該時間帯に席ありますと張り紙をするなど、試験的にいろいろやってみるつもりです」と、店主の平井宗助さん。

また、ひと足早く2019年8月から完全WEB予約制を取り入れたのは、「こおり屋 bambu(バンブー)」(神戸市中央区)だ。以前は店頭で名前を記入してもらうスタイルだったが、同じく客が並ぶ時間がどんどん早くなり管理が難しくなったのがきっかけだったそう。

店主の竹中康晴さんは「お客さまの負担になると同時に、名前記入制や整理券だと、お客さまが時間になっても戻ってこられないこともありましたが、WEB予約制だときちんと来てくれる。飛び込みのお客さまや電話問い合わせへの説明もしやすいので時間短縮にもなり、氷をかくことに集中できるので助かります。仮に何かあった場合にお客さまの履歴を追うことができるので、コロナ禍下ではWEB予約との相性が良いと思います」と話す。

予約に、1分2分を争う時間勝負の店も

ただ、人気店の場合は、予約が開始されてから数分で完売してしまうことも珍しくない。その予約の開始時間にしっかりスタンバイできるがどうかが大きな鍵に。導入を2年前に決めたという大阪の「cocoo cafe(コクーカフェ)」は、そんな状況が長い間続いている。

基本的に店主・上田誠規さんのワンオペレーションということもあり、1時間でかき氷10杯程度を作るのが限界。その少ない予約枠を熱烈なファン達が速攻で押さえるので、新規のお客様の来店がなかなか叶わない状況となっていた。

「cocoo cafe」の過去のメニューよりネクタリンミルク。外側はネクタリンシロップ、内側にはミルクシロップをかけて。桃クリームとネクタリン果肉をトッピング

そのために「営業時間を延長すると同時に、超常連のお客様には別の予約サイトを用意し、延長営業時間枠に予約をしてもらうようにしました。初めての方が少しでも予約が取りやすくなればと思い、従来の予約枠を実質的に増やしています」と、この9月からスタイルを変化し、評判は上々。

まだまだ、なじみがない「予約制のかき氷」。そのため、「せっかく来たのに食べられないなんて」、「予約方法がわからない」という不満の声が届くことも。ただ、どのお店にも共通しているのが、行列によるお客の負担を少しでも減らしたいという思いからのWEB予約なのだ。

今回、紹介したお店以外にも、インスタグラムのダイレクトメールで予約を受け付けるなど、予約制は確実に拡大し続けている。「かき氷はもっと気軽に食べたい・・・」と思うかもしれないが、WEB予約を導入しているのはいずれも行列店ばかり。何時間も行列に並んだり、現地で整理券が入手できなかったことを考えれば、サッっと予約する方がずっと気軽なのだ。

取材・文/西村円香 写真/なかとも(こおり屋 bambu、cocoo cafe)

予約制のかき氷店

「cocoo cafe」
住所:大阪市西区靱本町2-2-23 靭交番前ビル402
営業:火・土曜 14:00〜19:00、木曜 16:00〜21:00 月・水・金・日曜休
電話:06-4981-0816

「こおり屋 bambu」
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通1-10-5 中一東ビル2F
営業:10:00〜14:00 金曜から月曜休
電話:078-391-2814

「ほうせき箱」
住所:奈良県奈良市餅飯殿町47
営業:10:00〜17:00(12:00〜13:00はクローズ) 木曜休
電話:0742-93-4260

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