寿司やあずきバーのリアルローソク…実際の用途が意外すぎた

2020.7.5 20:15

「カメヤマローソク」の好物キャンドル

(写真11枚)

マグロ、ハマチ、いくら、醤油差しにガリなどがセットになっており、火を灯すとわさびが出てくるというこだわりが詰まったお寿司のローソクが、「本物みたい」「リアルでかわいい」とツイッターで話題に。

調べてみると、お寿司のほかにもミニジョッキやワンカップ大関、ざるそば、カレー、あずきバーなど、さまざまな食べものがローソクになった『好物キャンドル』シリーズを発見。これらを手がけたローソク・線香の製造販売会社「カメヤマ」(本社:大阪市北区)にその使い道を訊きました。

──好物キャンドルシリーズ、見ているだけで楽しいのですが、なぜこんなローソクを?

これ、実は故人を偲ぶためにお供えするローソクなんです。故人の好きだった食べ物や飲み物を模ったローソクをお供えいただくことで、より深く故人を偲ぶ尊い時間をもっていただけるのではと、2009年に「故人の好物シリーズ」が誕生しました。

──お供え用だったんですね! 10年以上の歴史があったとは・・・。購入した方の反応はどんな感じですか?

キャンドルを灯すと減っていく様子に、「故人がゆっくり飲んで(食べて)くれたようで、コミュニケーションをとっているみたいだ」との感想や、お墓では動物に荒らされないなど、ご好評をいただいております。

──なるほど、確かにこれだと普通のローソクより、喜んでもらえるような気がします。

そうなんです。それから2015年に「グッドデザイン賞」をいただき、今は60種類以上が販売されています。

──60種類も! 担当の方としては、どの商品がイチオシですか?

ここのところ毎年新商品をリリースしていまして、4月はざるそば、カレーライス、クリームソーダなどが登場しました。 井村屋さんとコラボした「あずきバーキャンドル」は、見た目もそっくりと話題になりましたね。

三重県の企業同士による夢の異業種コラボが実現。井村屋あずきバーキャンドル(680円・税別) (C)imuraya

──あずきバー、パッケージの袋も含めて本物みたい! あと、ざるそばキャンドルは、ねぎや海苔など薬味や割り箸、そばちょこまで付いていてかなり細かいディテールで驚きました。カレーやクリームソーダは匂いもするとか。

ローソク職人である社員が、手彫りで型を作るところからすべてスタートしているんですよ。キャンドルのあまりのリアルさに、供養とは日頃縁のない若者や、日本の食べものに興味のある外国人観光客の目にとまり、お土産やサプライズのプレゼントとしても用途は広がっているようです。

好物シリーズとしてキャンドルのほかに、サクマドロップスやクッピーラムネ、ミルキーなどの線香も展開しているんですが、それはお部屋の芳香として匂いを楽しむ目的で購入する方も多いみたいですよ。

あの頃食べた懐かしい味…香りで再現したコラボレーションお線香

──なんですか、そのおいしそうな線香は! お盆の時期以外であまり馴染みがなかったのですが、嗅いでみたい・・・。

若い世代の方は特に馴染みが薄いと思います。しかし近年は儀礼・儀式的なものから、大切な故人に語り掛ける時間、そばにいることを感じられる時間を大切にするというコミュニケーションへと変化しています。故人のためだけでなく、自分自身の生き方など振りかえる大切な時間として、供養が捉えられているように思います。

──なるほど。自分と故人のコミュニケーションを大切にすることこそ、供養のあるべき形ですね。『好物シリーズ』は、その一翼を担っている気がします。

ありがとうございます。『好物シリーズ』は使う人・贈る人によってストーリーが紡ぎだされるキャンドル・線香です。何気ない日常のワンシーンに溶け込み、人と人との心をつなぐものをその時代に沿って提供していけたらと思います。

お仏壇に供えるローソク、線香に関して深く考えたことがなかった人も、こんな風に身近なものだったら「あの人、これが好きだったな」など思い出しながらお供えするのが楽しみになりますね。ご先祖様も「ローソクかい!」と思わずツッコミそうなほどリアルで、楽しくお迎えできそう。インテリアとしても集めたいかも・・・。

取材・文/小田切萌

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