伊藤若冲の未公開作品に、レディー・ガガ着用の若冲ブーツも
あの伊藤若冲に、一般には公開されていない初期の傑作があった! 京都・嵐山の「福田美術館」(京都市右京区)の『若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜』で、その幻の作品『蕪に双鶏図』が、3月28日より初公開される。
蕪畑を背景に、若冲のトレードマークともいえる雄鶏を二羽、描いたもので、その色鮮やかで細密な描写は、若冲研究の第一人者・辻惟雄先生をして「こりゃー、すげえもんが出てきた!」と言わしめる傑作だ。
新発見の若冲の傑作にまつわる、3つの謎
これほどの作品が、なぜ世に出てこなかったのか? ということにまず驚くが、実はそれ以外にも謎がある。まずは、制作年。同館の岡田秀之学芸員は、若冲30代の初期作品ではないかと推測する。
そうだとしたら、若冲は同時代の画家・円山応挙が、ものをありのままに描く「写生画」を大成するよりも前に、このリアル描写をものにしていたことになる。若冲こそが「元祖・写生」となれば、日本の絵画史を塗り替える発見かもしれない。
謎の2つ目が、「なぜ鶏を、枯れた蕪と一緒に描いたのか?」。錦市場の青物問屋に生まれた若冲は、お釈迦様を大根に見立てた『果蔬涅槃図(野菜涅槃図)』を描くなど、野菜を巧みに描いている。
これは筆者の推測だが、絵にしなびた蕪の葉をフィーチャーしたのは、若冲の「描きがいの追求」ではないだろうか? たとえば、お肌ピチピチのギャルの美しさより、シワだらけのおばあさんの枯れっぷりを描く方が、格段に難しい。ここぞと超絶技巧をふるい、若冲は、葉の虫食いの向こうを描くような視覚的な遊びまで見せている。
そして最大の謎が署名の筆跡。若冲30代の署名を誰も見たことがないため、これが本人のものかが判然としない。しかし、たとえこのサインが他人の手によるものであっても、絵の作者が若冲であることは疑いようがない、と辻先生は語る。ダヴィンチの「モナリザ」、写楽の大首絵しかり、名画には謎がつきもの。この作品も、想像力を膨らませながら鑑賞したい。
『特別展「若冲誕生」~葛藤の向こうがわ〜』
期間:2020年3月28日(土)~6月21日(日)※火曜休(5/5・6開館、5/7休館)
時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
会場:福田美術館(京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16)
料金:一般・大学生1300円、高校生700円、小中学生400円 ※幼児無料
電話:075-863-0606
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
ホテルで贅沢に…大阪アフタヌーンティー2024年最新版
NEW 2024.4.17 14:00 -
ホテルで甘いものを満喫、関西スイーツブッフェ・リスト
NEW 2024.4.17 14:00 -
新しくなった西宮ガーデンズで新店巡り[PR]
2024.4.12 11:00 -
淡路島の観光&おでかけ&グルメスポット、2024年最新版
2024.4.4 12:00 -
鉄道系YouTuber西園寺、フリーきっぷで高知旅[PR]
2024.3.29 13:00 -
さらに便利に!子ども連れに人気のガーデンズ[PR]
2024.3.29 07:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごブッフェまとめ・2024年版
2024.3.26 13:00 -
「これハマる」女子が喜ぶスポーツ観戦とは?[PR]
2024.3.26 12:00 -
高知の観光&おでかけ&グルメ情報、2024年最新版[PR]
2024.3.23 09:00 -
家族で遊べる「まきのさんの道の駅・佐川」の遊び方[PR]
2024.3.23 09:00 -
知る・買う・食べる!牧野植物園「ラボテラス」[PR]
2024.3.22 09:00 -
関西で楽しむ春のお花見、桜の名所
2024.3.21 11:00 -
体験・温泉も、泊まれる伝統工芸の里がアップデート[PR]
2024.3.21 09:00 -
高知が誇る絶景温泉と藁焼きカツオに浸れる名湯宿[PR]
2024.3.20 09:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごブッフェまとめ・2024年版
2024.3.19 14:00 -
華やかスイーツ!京都のいちごブッフェまとめ・2024年版
2024.3.19 13:00 -
噂のあの店も! 阪急西宮ガーデンズがリニューアル[PR]
2024.3.14 07:00 -
【大阪編】今買いたい、手土産まとめ
2023.11.20 15:00