正倉院宝物と似た衣装、注目集めた留学生

2019.10.28 07:00

『正倉院展』の内覧会に訪れた奈良女子大学の留学生ら。8カ国それぞれみな、自国の民族衣装を身にまとっている(25日・奈良国立博物館)

(写真7枚)

「奈良国立博物館」(奈良市)で10月26日からスタートした『第71回 正倉院展』。それに先立ち25日におこなわれた内覧会には、海外からの留学生など多くの招待客が訪れ、聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物の数々を楽しんだ。

展示された代表的な宝物のひとつ、教科書でもなじみのある「鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)」。盛唐の風俗を反映したふくよかな天平美人として描かれ、20年ぶりに6扇(せん)そろって公開されている。

内覧会では、この絵から抜け出てきたような美しい唐の衣装を身にまとった中国人留生リュウ・イウンさん(24歳)が注目を集めた。上海から来たリュウさんは、「中国で漢服を着るブームがあって、今回の絵(鳥毛立女屏風)の衣装と同じだと思い、当時の化粧をして着てきました」と話す。

「両国の文化が繋がっていると感じた」と、唐の装束を着て正倉院宝物を観た中国人留生リュウ・イウンさん
「両国の文化が繋がっていると感じた」と、唐の装束を着て正倉院宝物を観た中国人留生リュウ・イウンさん

リュウさんは、「奈良女子大学」の武藤康弘教授が連れて来た8カ国の留学生のうちのひとり。武藤教授は2011年頃から毎年、華やかな自国の民族衣装を身に着けた留学生たちを内覧会へ連れてきており、国際色豊かな正倉院宝物に、更なる彩を添えてくれている。

奈良市内から内覧会に訪れた野田さん(60代女性)は、『鳥毛立女屏風』第6扇に描かれた女性のようにリュウさんがショールを巻く姿を見て、「今回は大物が多く、いつもより見ごたえがあった。そんななか、彼女(リュウさん)が音声ガイドの説明と同じような化粧をして、視覚的にシルクロードを感じさせてくれた。来て良かった」と笑顔を見せた。

宝物『鳥毛立女屏風』第6扇の絵のように唐の衣装でショールを巻くリュウさん(25日・奈良国立博物館)
宝物『鳥毛立女屏風』第6扇の絵のように唐の衣装でショールを巻くリュウさん(25日・奈良国立博物館)

武藤教授から事前に学んで内覧会を訪れているという留学生たち。ルーマニア人の留学生カリン・パウラさん(23歳)は、「身近にあるほうきや鏡がどうやって儀式に使われるのか想像しにくい」と不思議そうに宝物を見るなど、各国それぞれの視点で楽しんだようだ。

今回は新天皇の御即位記念ということもあり、9000件に及ぶ宝物のなかでも、即位や皇室に関わる宝物、さらに宝庫を代表する宝物の出陳が特徴の本展。会期は11月14日まで、観覧料は一般1100円、高大学生700円、小中学生400円。

取材・文・写真/いずみゆか

『第71回 正倉院展』

日程:2019年10月26日(土)〜11月14日(木)
会場:奈良国立博物館(奈良市登大路町50)
料金:一般1100円、高・大学生700円、小・中学生400円
電話:050-5542-8600

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