知られざる大阪の食が満載、阿倍野の酒場

2019.9.18 11:00

大阪もん鮮魚造り盛り5種880円、ポテサラ280円、焼きそば(480円)は西成ヒシ梅ソースで

(写真5枚)

メニューのすべてが、主役に大阪食材を使ったもの。また、ドリンクから調味料にいたるまで、徹底した「大阪もん」主義を貫く居酒屋『オオサカ堂』が、大阪・阿倍野で人気だ。

オープンは2018年11月。店主・小山尚士さんは魚介で名を馳せる名酒場や食品業界で経験を積んだ。その過程で大阪食材の多様さと魅力に気づき、目標だった自分の店の軸足に据えることに。「泉州(大阪府南部)の魚介は有名ですが、野菜や肉類も質が高い。実はオールジャンルの食材が大阪だけで揃うのはあまり知られていませんが、徹底的にリサーチして集めたそれらを、日常的な価格で楽しんでもらえたら」と話す。

カウンターで日本酒とアテを気軽に楽しめる。ひとり2000円で満腹

取材時の初夏は、ワタリガニにニシ貝、ハモなどネタケースは泉州らしさ満点。刺身のあとは堺産キタアカリ(ジャガイモの一種)のポテサラや富田林産大阪なすの焼きナスといった野菜のアテを楽しんで、メインには大阪梅ビーフや犬鳴ポークの網焼きを。大阪弁で言う「値打ちをこかず」、ひとり2000円あればゴキゲンになれる日常価格で、飲み食いするほどになんだか大阪が誇らしくなってくる。

そして店の前に停まったのは大阪有数の銘醸地・摂津富田(高槻市)でチャレンジを続ける日本酒『國乃長』を造る「壽酒造」のトラック。1822年に創醸した清酒の実力はもちろんのこと、大阪で初めて醸造したクラフトビールや、大阪で唯一の酒粕を使った焼酎を造る蔵元だ。生で飲めるアンバーエールビールをはじめ「壽酒造」のアイテムも、同店ではほぼフルラインアップ。

のんびりした空気がクセになる上町台地のヒルトップ。大阪府内の実力ある食材の仕入れに奮闘する小さな居酒屋で、知られざる大阪の食を楽しんでほしい。

出典:雑誌『歩いてめぐる大阪本』(京阪神エルマガジン社)・2019年9月18日発売

『歩いてめぐる大阪本』

古墳から大注目のうまい店まで。「知らなかった」大阪のええとこ大案内。中心部を離れて大阪各地でユニークな表現を楽しむ店と人がおもしろい。2019年9月18日発売、定価880円(税別)

『歩いてめぐる大阪本』

オオサカ堂
住所:大阪市阿倍野区阿倍野元町4-9
電話:06-7710-8002

『歩いてめぐる大阪本』

壽酒造
住所:大阪府高槻市富田町3-26-12 
電話:072-696-0003

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