寛容すぎる大阪・四天王寺、その狙いは?

2019.6.6 17:00

日本仏法最初のお寺、和宗総本山「四天王寺」

(写真9枚)

日本仏法最初のお寺である、和宗総本山「四天王寺」(大阪市天王寺区)。593年に創建され、1400年以上も歴史のある由緒正しいお寺だが、ここ2、3年、その「寛容さ」「和やかさ」が気になってきた。境内では意外性にあふれたさまざまなポイントを発見。その理由について同寺に直撃した。

売り切れ続出、「四天王寺」のユニークグッズ

「四天王寺」境内の「聖徳太子の飛び出し坊や」、周辺エリアにも設置されている

同寺を訪問し、まずは目に飛び込んでくるのが「聖徳太子の飛び出し坊や」。そして点在する売店には、個性的なアイテムがずらりと並んでいる。キューピーとコラボしたかわいい「聖徳太子ストラップ」、一斉を風靡したマンガ家・川崎ゆきおによる「四天王寺記念散華」、寺院の説明などが書かれた「四天王寺トランプ」、人気トップ3を誇る「黒い亀の寶器籠(ほうきかご)」、外国人がよく購入するというTシャツなど、ユニークなグッズのオンパレードだ。

左上から時計回りに、ストラップ、四天王寺記念散華、Tシャツ、トランプ

そんななか、開発2年を費やし、売り切れ続出というのが、「御乳守(みむねまもり)」という乳パットのお守り。古代から胸の悩みを聞いてくれる布袋堂本尊の乳布袋尊。「乳がん」や「乳腺症」といった病気だけでなく、サイズに関する悩みまでもご祈祷されているお守りで、発売するや爆発的な人気に。各カラー売り切れ続出で、現在追加製造中なんだとか。

ギャグマンガ日和ともコラボ、3種のチラシ

『霊場巡拝いこか』の3種のチラシ、右が『ギャグマンガ日和』とコラボしたもの

そして、6月5日から開催される『霊場巡拝(おまいり)いこか』にも目を向けてみる。新西国霊場の札所全38カ寺が一堂に集まる、40年ぶりという一大イベントで、インターナショナル大座禅会など特別企画も盛りだくさん。それを告知するチラシは、なぜか3種類。1枚目は、オーソドックスだが、2枚目で一気にナゴヤカモードに。そして3枚目は、増田こうすけによる『ギャグマンガ日和』とコラボ。ちなみに『ギャグマンガ日和』で登場する聖徳太子は常にジャージ姿だが、ここでは初の正装が拝める(小野妹子も「太子が仕事してる」と驚いている)。

お寺の僧侶も、ユーチューバーの時代へ



公式サイトとYouTubeでは専用番組「おまいりイコカTV」も配信。「四天王寺」の2人の若手僧侶、加藤公啓さんと田渕観宝さんが霊場巡拝についてわかりやすく教えてくれる番組だが、自ら台本をつくり、スマートフォンで撮影し、編集、アップまですべてをおこなっている。これまで5回にわたって、霊場巡拝についてわかりやすく解説。厳粛で静謐なイメージのある僧侶が、ユーチューバーというのも驚きだが、その楽しそうなコメンテーターぶりが、なんだか微笑ましく、とても親しみがもてる。

もう一度言うが、「四天王寺」は1400年以上も歴史のある由緒正しいお寺。それだけに、この「寛容さ」「和やかさ」はどういう狙いがあるのか、四天王寺の広報さんに話を訊いてみた。

和宗総本山「四天王寺」
住所:大阪市天王寺区四天王寺1-11-18

『霊場巡拝いこか』
期間:2019年6月5日(水)〜9日(日)
時間:10:00〜16:00
料金:出開帳参拝料1000円(記念法要などは無料)

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