京都から30年、土田英生の劇団MONO

2019.2.18 21:00

テレビドラマ『斉藤さん』や『崖っぷちホテル!』(ともに日本テレビ系)などの脚本を手掛けている土田英生

(写真2枚)

岩田剛典主演ドラマ『崖っぷちホテル!』をはじめ、映像分野でも多数の脚本を手がけてきた京都在住の作・演出家の土田英生。彼が主宰する劇団・MONOが今年で結成30年を迎え、その記念公演『はなにら』が全国4カ所で上演される。

MONOは1989年の結成以来、ずっと京都が拠点。「京都が誇る先輩方が、東京の劇団になっていくのはすごく寂しかったし、やはり自分が芝居を始めた場所が盛り上がっていてほしい」と話すように、東京に移転せず全国的な活動をおこなうモデルを作った劇団のひとつでもある。

「(同じく京都を拠点とする劇団)ヨーロッパ企画の上田(誠)くんに以前、『MONOが京都でやり続けているのを見て、僕たちも(京都で)できるんだと思った』と言われて、それはすごくうれしかったです」と、その文化が定着していることを喜んだ。

昨年劇団に加入した渡辺啓太(左)は2004年以来MONOのファンだという。今回は3人の父親がいる疑似家族の長男(?)を演じる
昨年劇団に加入した渡辺啓太(左)は2004年以来MONOのファンだという。今回は3人の父親がいる疑似家族の長男(?)を演じる

2018年に4人の新人が加わったことで「元からのメンバーも刺激を受けて、先(未来)を見られる状態になった」という土田。30年を迎えても、さらに進化を見せる新作『はなにら』は、大きな自然災害に見舞われた島で暮らす、2組の疑似家族の物語。ユーモラスでテンポの良いやり取りを通して、現代社会の問題を浮かび上がらせる。

「血のつながりのないいびつな『家族』を通して、違う思想の人を排除するなど現代の傾向をわかりやすく描く。家族というこだわりを乗り越えて、個人に戻って新しい結びつきを探しましょうという、『別れ』がテーマの芝居です」と語った。本作は東京、豊橋公演を経て、3月23日~27日に「ロームシアター京都 ノースホール」(京都市左京区)で上演される。チケットは一般4000円ほか(発売中)。

取材・文・写真/吉永美和子

舞台『はなにら』

日程:2019年3月23日(土)〜27日(水)
会場:ロームシアター京都 ノースホール(京都市左京区岡崎最勝寺町13)
料金:一般4000円、ペアチケット7200円、U-25 2000円
電話:075-525-2195

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