奈良の冬まつり、民間の力でリニューアル

2019.1.29 15:00

朱雀門ひろばの両サイドに奈良県のあったかもんと特産品の屋台が並ぶ様子。大阪府から来た女性は「まるで古代の市の様で素敵」と語った(27日・平城宮跡)

(写真4枚)

民間委託によりリニューアルした奈良のイベント『大立山まつり2019 奈良ちとせ祝(ほ)ぐ寿(ほ)ぐまつり』が、1月26日・27日に「平城宮跡朱雀門ひろば」(奈良市)で開催。新たな試みを積極的に取り入れた事で注目され、初日の26日にはTwitterでトレンド入りを果たした。

県主催の『大立山まつり』として、冬季の誘客を目的に3年前から毎年開催されてきた同イベント。夜間開催で真冬の野外イベントということもあり、集客数があまり伸びず、SNSを中心に「誘致の効果はあるのか?」「改善すべき」など、県民の声が多数上がっていた。

それらの声を受けて、2019年から民間に移譲。「イケ住」(註1)で知られる海龍王寺・石川重元住職が実行委員長として就任し、奈良好きの有志が集まって「古代を体感し、現代につながる奈良のいいとこを味わえる」内容へと生まれ変わった。

毎年、子連れで訪れているという西田さん(奈良市/30代女性)は、「以前は、夜開催で寒いし暗いしで、子連れだとちょっとしか見ることが出来なかった。昼間の開催に変わり、寒いときは建物内に入れたので本当に良かった。子どもと一緒にできるワークショップもあり、盛り上がった」と笑顔で語った。

古代文化体験のひとつ『天平茶体験』。奈良時代の部屋のしつらえのなか、遣唐使がもたらしたお茶を味わった
古代文化体験のひとつ『天平茶体験』。奈良時代の部屋のしつらえのなか、遣唐使がもたらしたお茶を味わった(27日・平城宮跡)

夫婦で訪れた中村さん(奈良県香芝市/40代男性)は、「奈良への愛情が感じられるものがいっぱいあって良かった。平城宮跡とのゆかりがちゃんと感じられるまつりになったと思う」と、以前とは違う魅力を感じたという。

リニューアルされた今回のまつりは、日程を2日間に短縮し、昼間開催に変更。奈良県内の伝統行事の披露や特産品屋台、四天王の大立山(おおたてやま)は踏襲しつつ、古代文化に触れるワークショップや南都の僧侶による講話など「奈良らしさ」を味わえる新たな試みを積極的に取り入れた。

(註1)石川住職は、親交が深いイラストレーター・みうらじゅん氏からイケてる住職として「イケ住」と名付けられた

取材・文・写真/いずみゆか

『大立山まつり2019 ちとせ祝(ほ)ぐ寿(ほ)ぐまつり』

日程:2019年1月26日(土)・27日(日)
会場:平城宮跡歴史公園 朱雀門ひろば(奈良市二条大路南4-1)
電話:0742-27-8974(奈良県庁内/実行委員会事務局)

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