足で描く白髪一雄の真骨頂、尼崎で企画展

2018.11.28 06:00

白髪一雄 油彩作品「天罡星玉麒麟盧俊義」宮城県美術館蔵

(写真2枚)

独自の「アクション・ペインティング」で知られた画家・白髪一雄。彼の没後10年となる展覧会が、「尼崎市総合文化センター 美術ホール」(兵庫県尼崎市)で、12月16日までおこなわれている。

白髪一雄は尼崎市出身の画家で、前衛美術グループ「具体美術協会」を代表する画家のひとり。最近では、海外の美術オークションで高値がつくなど人気が高まっている。白髪は1950年代、天井から吊るしたロープにつかまり、キャンバスの上の絵具に足をすべらせて描く「アクション・ペインティング」を確立。大きく盛り上がった油彩絵具のうねりがダイナミックに旋回し、目を奪われる。よく見ると足指の形がわかる箇所もある。

エネルギーにあふれる白髪一雄の作品20点がならぶ会場

今回、展示された「水滸伝豪傑シリーズ」は、備忘の意味から愛読していた『水滸伝』の登場人物108人の名を題名にした作品群。1959年から最も勢いがあった6年間に描かれたが、多くが海外に送られたため日本には40点ほどしか残っておらず、同展ではそのうちの20点を展示する。シリーズでまとめた特集展示も初めてとなる。

『水滸伝』は、中国で書かれた長編小説で、豪傑が集結して腐敗した官軍と戦い滅びていく物語。会場には同著や登場人物の解説も用意されている。入場は一般800円。

取材・文・写真/太田浩子

『没後10年 白髪一雄「水滸伝豪傑シリーズ」』

期間:2018年11月10日(土)~12月16日(日)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)※火曜休
会場:尼崎市総合文化センター 美術ホール(兵庫県尼崎市昭和通2-7-16 5階)
料金:一般800円、大高生400円、中学生以下無料

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