カコイミク、7年の空白を経て新境地へ

2018.11.13 21:00
(写真1枚)

ソウルフルな表現力とシンガーソングライター的な資質を兼ね備え、大橋トリオやGIRA MUNDOらを制作陣に迎えたメジャーデビュー作『RAFT』(2011年)で高い評価を集めた女性シンガー・カコイミク。そこから7年という長いブランクを経てリリースされたアルバム『Asleep』は、全曲の作詞・作曲を彼女自身が手がけ、再びGIRA MUNDOをプロデューサーに迎えて健在ぶりを示したアルバムに仕上がっている。よりシンプルな音作りとパーソナルな世界観を強めた歌詞で新境地を示した久々の新作と、京都で予定されているアコースティックワンマン公演について、彼女に話を訊いた。

取材・文/吉本秀純

「曲と良い距離感を取りながら、シンガーソングライター然としていない作品に」(カコイミク)

──メジャーデビュー前に大阪を拠点に活動されていたということですが、その頃はどんな感じのサウンドに取り組んでいたんですか?

ボーカリストとして在籍していたバンドで曲を作っていた人が、クラブ・ジャズ系のインコグニートやブラン・ニュー・ヘヴィーズのような、グルーヴがあるけどメロディが聴きやすいものを好んでいたので、音楽的にもそんな感じでしたね。でも、私は個人的にはもともとフィオナ・アップル(米国の女性シンガーソングライター)とか、もうちょっと暗い感じの方が好きだったんですけど、世代的にはヒップホップやR&Bが流行った世代だったので、そちらも必然的に通っていました。

──なるほど。その頃からソロになって以降のスタイルにも繋がるような、歌い手としてのソウルフルな部分と内省的なシンガーソングライター的部分の両面を持っていたんですね。

そうですね。ソウル~R&B色の強い歌を歌いながらも、私自身はジョン・レノンの『Love』(1970年発表の『ジョンの魂』収録)やUKモノとか、ちょっと内に入った感じのものも好きでしたね。

──そして、大橋トリオやGIRA MUNDOをはじめとする多彩なプロデュース陣やゲストを迎えて制作されたメジャーデビュー作の『RAFT』(2011年)を発表し、今回の新作『Asleep』はそこから7年ぶりということで、かなり長いブランクを経てのアルバムとなりましたが。

はい、かなり空きました。最初の3年くらいは、休みたかったというかしばらく(音楽活動から)距離を置いていた時期があったんですけど、だんだんとやっぱりやりたいと思えるようになって、その後は年に何回かはライブをやりながら、昔の知り合いが楽曲提供のコンペの話をくれてそのための曲を書くようになったりとか、マイペースに活動は続けていました。ホントは7年も空けずに新作を出したかったんですけど、結局はこのタイミングになっちゃたという感じですね。

──サウンド的には以前よりもシンプルな音作りながら、ファンク色の強いアレンジによる冒頭のグルーヴィーな『WONDERFUL LIFE』やトリップホップ調のビートを伴った『遠いのよ』など。多彩なアプローチによる楽曲を収めています。

まずひとつテーマとしてあったのがシンガーソングライターっぽいサウンドにはしないでおこう、ということでした。曲は全部自分で書いてますけど、あえて曲を提供してもらって歌っているというような、曲との距離感をいい意味で取りながらレコーディングを進めたような、シンガーソングライター然としていない作品にしたいと思っていました。

──どの曲もカコイさんのパーソナリティや日常が以前よりも色濃く反映されていてシンガーソングライター的ではあるんですが、サウンド面は確かにそれっぽくはないですね。

私は曲も書いて歌っていますけど、弾き語りしながら歌ったりするタイプではないし、そこまで等身大を100%出して活動しているようなタイプでもないので、もっと自分らしいあり方があるのかもしれないなと。と言いながら、私はそこまで深くは考えられていなかったんですけど、今回のアルバムのプロデュースを務めてくれたGIRA MUNDOさんは、どこへ行ってもピアノやギターの弾き語りですぐに歌えますみたいな感じじゃないから、サウンドもカッコ良く作って曲の世界をしっかりと表現しようと。

カコイミク『Asleep』
2018年9月19日発売

『KAKOIMIKU”Asleep”Special Live』
日時:2018年11月18日(日)・18:30〜
会場:京都きんせ旅館(京都市下京区西新屋敷太夫町80)
料金:前売3000円(1ドリンク代要)
電話:075-351-4781(きんせ旅館)

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