俳優・藤井隆「立派な仕事が出来れば」

2018.10.7 10:00
(写真6枚)

あるときは司会者、あるときは俳優、そしてまたあるときはミュージシャン・・・、さまざまな顔を使い分けながら、それぞれのジャンルで魅力を放ち続ける芸人・藤井隆。舞台俳優としても、三谷幸喜や鴻上尚史など、名だたる作・演出家の作品に招かれており、現在はNODA・MAP『贋作(にせさく)・桜の森の満開の下』に出演中だ。本作では、体力の限界に挑むような役に挑戦すると同時に、自らの仕事について決意を新たにする機会にもなったという藤井に話を聞いた。

取材・文/吉永美和子 写真/本野克佳(人物)・篠山紀信(舞台)

「シュッとしている?信じていいですか?」(藤井隆)

──野田秀樹さんが率いる「NODA・MAP」の出演は、これが4度目となりますね。

20歳のときに、大阪で『贋作〜』を観て「何かすごいなあ」と思ったんですよ。吉本興業に入る前の、自分の将来がどうなるのかもわかんない時期に圧倒された舞台に、今回出させていただけるというのは、本当にありがたいです。

20歳に衝撃を受けた野田秀樹の作品に参加。「本当にありがたい」と藤井隆
20歳のときに衝撃を受けた野田秀樹の作品に参加。「本当にありがたい」と藤井隆

──『贋作〜』は、野田さんが1989年に発表し、これが3度目の再演となる名作です。藤井さんが演じる「赤名人(あかめいじん)」は、コメディリリーフ(緊張を和らげるために現れる滑稽なキャラクター)であると同時に、負の部分も背負ってるような複雑な役ですね。

最初は仏像造りの名人として登場して、そこから鬼に変わっていきます。今回、私自身にいろいろあって稽古場でやらなきゃいけないことに対しての答えを出すのが本当に遅かったなあって反省してます。舞台上に人がたくさんいる場面ではどこにいればいいかわからなくなったり、走り回るときに出遅れたりして迷惑おかけしてました。

赤名人を全力で演じる藤井隆。NODAMAP第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』東京公演より 写真/篠山紀信
赤名人を全力で演じる藤井隆。NODAMAP第22回公演『贋作 桜の森の満開の下』東京公演より

──とにかく役者を動き回らせるのは、野田さんの舞台の特徴ですからね。でも藤井さんは、普段ダンスでもすごく動きにキレがあるからか、どこかシュッとしてる印象を受けました。

本当ですか? 信じていいですか?(笑)。自分ではそんな実感が全然なくて、シュッとなんかしてないと思います。野田さんからいただくダメ出しが「あの台詞が聞こえませんよ」というレベルですから自分にガッカリしますが、とっても素敵な出演者の方々とスタッフのみなさんに恵まれていて、毎日がんばれます。

NODA・MAP『贋作 桜の森の満開の下』

日程:2018年10月13日(土)〜21日(日)
会場:新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町6-5-13)
料金:S席10000円、A席8000円、サイドシート5500円
電話:03-6802-6681

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