秋の六甲山で、極上の野外アートを体験

2018.9.14 08:00

さわひらき《absent》 会場:風の教会 教会内の備品を流用した彫刻と映像作品によるインスタレーション

(写真6枚)

神戸の六甲山上(神戸市灘区)で毎年秋に開催される『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』。アートの魅力を、六甲山の豊かな自然や観光施設とともに体験できるイベントが、今年も11月25日まで開催されています。

今年は11会場で37組のアーティストが作品を発表。筆者のイチ押しは、さわひらきの「absent」です。会場は、建築家・安藤忠雄の初期を代表する作品「風の教会」。さわは映像作家ですが、今回は建物内の備品を流用した彫刻に自身の映像作品を組み込んだインスタレーションを発表しました。映像、彫刻、建築空間が見事なアンサンブルを奏でており、極上の体験ができます。

大宮エリー《とある未亡人の館》 会場:六甲カンツリーハウス カンツリーグリル会場の古い建築を未亡人に見立てて、その世界観を絵画や立体で物語的に表現している。全ての作品が現地制作

もうひとつのおすすめは、黒川岳の「石の音を聴く」。今年から会場に加わった「記念碑台」で展示されています。この作品は、芝生の上に多くの自然石が配置されており、石に開けた穴に首を入れると、不思議な音が聞こえてくるというもの。素材との直接的な接触によって生じる感覚の変容を楽しむ作品です。外見を眺めるだけでなく、積極的に体験してください。

葉栗里《そのさきに》 会場:六甲高山植物園 頭部はマツボックリで胴体は陶。森の妖精たちがひょこり現れた感じで、植物園にふさわしい作品

また、単独の作品ではなく一連のコースとしておすすめなのは、「六甲高山植物園」と「六甲オルゴールミュージアム」です。この2会場では高低差のある森を巡りながら作品鑑賞ができ、屋外展示だけでなく屋内展示も見られます。作家数は16組と多く(ただし、展示期間が限られる作品が2点あり)、ハイキング気分とアート鑑賞を同時に味わえる『六甲ミーツ・アート』の醍醐味が凝縮されています。料金は大人(中学生以上)2000円。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

『六甲ミーツ・アート 芸術散歩2018』

期間:2017年9月8日(土)〜11月25日(日)※会期中無休
時間:10:00〜17:00 ※会場により異なる(夜間鑑賞作品もあり)
会場:六甲ガーデンテラス、自然体感展望台 六甲枝垂れ、六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム、六甲ケーブル、天覧台、風の教会、六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)ほか
料金:大人(中学生以上)2000円、小人(4歳~小学生)1000円
電話:078-891-0048(10:00~17:00)

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