舞台上で複数の劇、同時進響劇とは?

2018.8.29 08:00

『アントーニオとシャイロック』初演時(2016年)より。この狭いステージにキャスト13人がすべておさまるという

(写真3枚)

「同時進響劇(どうじしんこうげき)」と呼ばれる珍しい手法で舞台を上演する劇団現代古典主義が、9月に兵庫・東京で代表作『アントーニオとシャイロック』を再演する。

海外ドラマ『24 −TWENTY FOUR−』からヒントを得たという「同時進響劇」。複数に分割した舞台上で、別地点の物語が同時間軸で進行し、各々のセリフが呼応しながら意味を持たせるという、手の込んだ演出方法だ。

同劇団で演出を担う夏目桐利が、「役者ひとり1人を楽器のように捉えて、オーケストラのように響き合えば」と、独特な演出方法を試行錯誤。説明を聞くだけでは一見、複雑な舞台に感じるが、劇団員の樽谷佳典は、「2012年くらいから始めた独自のもの。最初は戸惑う方もいらっしゃいますが、しだいに脈絡がつかめ、わかってもらえます」と話す。

劇団名にあるように、王道の古典戯曲をベースに上演する彼ら。本作は、「シェイクスピアの喜劇『ヴェニスの商人』を、約70分くらいにおさめました。商人のアントーニオと高利貸しのシャイロック、それぞれの世界が進行し、初めての方でも理解しやすいように構築し直しています」と説明する。

左からシャイロック役の樽谷佳典、制作の竹内淳子、アントーニオ役の大西輝卓
左からシャイロック役の樽谷佳典、制作の竹内淳子、アントーニオ役の大西輝卓

同劇団は大阪で旗揚げ後、2015年に上京。現在は自前で作った客席20席のステージを拠点に活動し、舞台まで30センチ程の至近距離で上演された同作は、第3弾までシリーズ化されるほど人気を集めている。兵庫公演は9月7日から9日まで、「神戸三宮シアター・エートー」(神戸市中央区)にて。チケットは前売4000円で発売中(当日は4200円)。

『アントーニオとシャイロック』

日程:2018年9月7日(金)〜9日(日)
会場:神戸三宮シアター・エートー(神戸市中央区琴ノ緒町5-6-9)
料金:前売4000円、当日4200円
電話:03-5478-7088

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