世界で１０億人が熱狂するというコンピューターの対戦ゲーム。なかでも格闘ゲームの『ストリートファイターＶ』が人気で、その世界最大の大会で昨年優勝を果たし、現在世界ランキングトップを争うのが日本人プロゲーマーのときど、本名・谷口一（はじめ）だ。

先進国では「ｅＳｐｏｒｔｓ（ｅｌｅｃｔｒｉｃ ｓｐｏｒｔｓの略）」と呼ばれ、ひとつの大会で賞金総額２６億円が支払われたり、オリンピック競技に採用が検討されるなど、スポーツ競技としても年々存在感を増しつつある。プロゲーマーの主な収入源は、大会で獲得する賞金とスポンサーからの報酬。安定という二文字はない完全なる勝負の世界だ。東大工学部を卒業し、科学者になることも考えた谷口だったが、８年前に退路を断ち、実力だけがものを言うゲームの道に飛び込んだ。強くなるためにありとあらゆる工夫をこらす彼は、ジムに通って理論的に体を鍛え、武道に精進し、食事にもこだわりみせる。

日本は世界でも有数のゲーム大国にもかかわらず、「ｅＳｐｏｒｔｓ」後進国であり、谷口自身、ひと昔前まで世間では「ゲームばっかりやってる」と肩身の狭い思いを経験してきた。だが、エンタテインメントとして世界的な認知度が高まりつつある今、自分たち日本人ゲーマーが活躍することで、「ｅＳｐｏｒｔｓ」の可能性に多くの日本人が気づいてくれるはずだと信じている。番組では、各地の有名な格闘ゲーム大会を渡り歩きながら、世界の強豪たちとの闘いに挑む谷口を半年にわたって取材。この模様は、８月１２日・夜１１時から放送される。