70年ぶりに復活、京都疏水クルーズ

2018.3.30 07:00

京都・蹴上の乗下船場から出発する「めいじ」号。定員12名。明治期に成功させた一大土木事業についてのさまざまなエピソードを、一緒に乗り込むガイドが解説してくれる

(写真3枚)

琵琶湖の水を京都に通す人工運河「琵琶湖疏水」を遊覧する『びわ湖疏水船』が3月29日より運航をスタートした。

「琵琶湖疏水」とは、明治期の京都の一大土木事業で、明治維新後の東京遷都により、産業が急激に衰退した京都を復興させるため、琵琶湖の水を京都に通す人工運河を建設したもの。疏水の水力で新しい工場を興し、船で物資の行き来を盛んにしようという計画だった。舟運は昭和26年を最後に途絶えていたが、かんがい用水や庭園用水、水道水源など、さまざまな形で京都の発展を支え続けてきた琵琶湖疏水は、平成19年に近代化産業遺産として認定された。

「美哉山河」と揮毫された、三条実美の扁額は第3トンネルの西出口に。明治期の一大土木事業の功績を称えて刻まれた。「なんと美しい山河であろう」という意味

疏水路を進む航路は、京都の蹴上と滋賀県大津市の三井寺あたりを結ぶ7.8kmほど。深さ1メートル余りの幅も狭い水路を定員12名の小さな船で進む。道中には外気より5度ほど涼しく感じるトンネルが4つ。3つのトンネルの出入口には、伊藤博文や山縣有朋ら偉人たちの揮毫による扁額が掲げられており、こちらも見どころとなっている。

桜並木のトンネルを抜けるように進む疏水船

疏水沿いは遊歩道になっており、散歩やジョギングを楽しむ人たちと手を振り合ったりして交流が楽しめる。また天智天皇陵の横や東山自然緑地のなかなどを通るため、桜並木や、新緑、秋には紅葉が目に飛び込んでくる。大津行きの上り便は35分、京都・蹴上行きの下り便は55分、ガイドさんの歴史話にも耳を傾けながら、小さな水の旅を楽しんで。料金は4000円から。

『びわ湖疏水船』

期間:2018年3月29日(木)〜5月28日(月)、10月6日(土)〜11月28日(水) ※運休日あり(10月以降の乗船の発売は8/13〜)
料金:4000円〜(日程により異なる)※要予約
電話:075-365-7768(平日9:30〜17:30、びわ湖疏水船受付事務局)

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