兵庫・篠山にレアな弥生式土器が大集合

2018.3.6 07:00

朱彩壺形土器(重要文化財) 朝日遺跡(愛知県清須市・名古屋市)出土 弥生時代後期 愛知県教育委員会

(写真4枚)

誰もが日本史の授業で習ったであろう「弥生式土器」。その優品が集うレアな展覧会『弥生の美』が、「兵庫陶芸美術館」(兵庫県篠山市)で3月10日からおこなわれます。

紀元前10世紀頃から紀元後3世紀頃までとされる弥生時代。その存在が明らかになったのは、明治17年(1884)に東京の向ヶ岡弥生町(現・文京区弥生)で発見された球形の土器がきっかけでした。その土器は、明治10年(1877)にエドワード・S・モースによって発見された縄文土器とは異なる特徴を持っており、発見場所の地名から「弥生式土器」と呼ばれるようになりました。そしてこの土器が用いられた時代や文化を、「弥生時代」 「弥生文化」と呼んでいます。

人面付壺形土器(重要文化財) 泉坂下遺跡(茨城県常陸大宮市)出土 弥生時代中期 常陸大宮市教育委員会

弥生式土器は、縄文土器より薄手で硬く、明るい褐色をしています。また、躍動的なデザインの縄文土器に対し、機能性に優れたシンプルな造形と洗練された意匠を持っています。今から約2400年前(3000年前とも)に稲作が大陸からもたらされ、それとともに青銅器や鉄器が伝わると、人々の生活や社会が一変し、弥生式土器も用途に合わせた多様性や、地域ごとの特色を持つようになりました。

この展覧会では、北は北海道から南は佐賀県まで、全国各地の遺跡から出土した弥生式土器の中から約160点を精選。その造形や意匠を美術的な視点から紹介します。展示品のなかには、先に記した弥生式土器第1号をはじめとする国指定重要文化財31点など有名な土器が多数含まれおり、弥生式土器の魅力を知る絶好の機会となるでしょう。料金は一般1000円。

文/小吹隆文(美術ライター)

『弥生の美-土器に宿る造形と意匠-』

期間:2018年3月10日(土)~5月27日(日)※月曜休(4/30開館、5/1休館)
時間:10:00~18:00(4/29〜5/5は、~19:00)※入館は閉館30分前まで 
会場:兵庫陶芸美術館(兵庫県篠山市上立杭4)
料金:一般1000円、大学生800円、高校生以下無料
電話:079-597-3961

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本