高倉健の全作品・映像展、西宮で開催

2018.2.27 09:00

「神戸国際ギャング」1975 ©東映

(写真9枚)

『昭和残侠伝シリーズ』や『八甲田山』、『幸せの黄色いハンカチ』などの名作で知られる、日本を代表する映画スター、高倉健。2014年に逝去した後も根強い人気を誇る彼の展覧会『追悼特別展 高倉健』が、4月7日から「西宮市大谷記念美術館」(兵庫県西宮市)でおこなわれます。

映画スターをテーマにした展覧会と聞くと、肖像写真やスチール、ポスター、衣装、脚本、小道具といった資料展示を思い浮かべるかもしれません。しかし本展は全くの別物。もちろん資料類もありますが、主役はあくまでも映像なのです。会場には約30台のモニターやプロジェクターが設置され、そこに高倉健が出演した全作品205本から抜粋した映像が映し出されます。つまり、高倉健の映画俳優としての仕事を回顧する展覧会なのです。

美術家の横尾忠則による、高倉健をモチーフにした作品(東京ステーションギャラリーでの展示風景)

また、美術家の横尾忠則と写真家の森山大道が参加しているのも大きな見どころです。横尾は高倉健が主演した映画6本の予告編を編集した映像を空間に投影するインスタレーションをおこない、森山は1968年と1973年に撮影した高倉健の写真を用いた展示をおこないます。さらに神戸の「Cinema KOBE」(神戸市兵庫区)と「元町映画館」(神戸市中央区)では、本展と連動した上映会が開催されます。

写真家の森山大道による、高倉健をモチーフにした作品(東京ステーションギャラリーでの展示風景)

本展は2016年に東京でおこなわれたのを皮切りに、北九州市と北海道各地を巡回してきました。「西宮市大谷記念美術館」は7会場目にあたり、関西での開催は(今のところ)同館のみです。美術館が映画スターをテーマにすること自体が異例ですが、抜粋とはいえ全作品を上映する展示内容も斬新であり、大きな話題となるのは間違いありません。なお、本展を全部を見るには2時間以上かかるとのこと。早めに会場入りするのがおすすめです。

文/小吹隆文(美術ライター)

『追悼特別展 高倉健』

期間:2018年4月7日(土)〜5月27日(日)※水曜休(5/2開館)
時間:10:00〜17:00 ※入館は16:30まで 
会場:西宮市大谷記念美術館(兵庫県西宮市中浜町4-38)
料金:一般1000円、大高生600円、中小生400円
電話:0798-33-0164

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