四天王寺の国宝、X線CT調査で新事実
2018.2.10 11:00

「四天王寺」(大阪市天王寺区)が所蔵する国宝「懸守(かけまもり)」の新事実が、「京都国立博物館」で2月9日に発表された。

「X線CT調査による新知見」についての記者会見。左から、四天王寺学芸員の一本崇之さん、四天王寺執事の吉田明良さん
「X線CT調査による新知見」についての記者会見。左から、四天王寺学芸員の一本崇之さん、四天王寺執事の吉田明良さん画像一覧

首にかける護符などを込めたお守りの一種で、平安時代から南北朝時代に使用されてきたと考えられている「懸守」。今回は、「四天王寺」が昨年におこなわれた『国宝』展に出陳したのを機に、7つある「懸守」の調査を依頼。昭和時代のX線で、なかに何かが入っているのは分かっていたが、「京都国立博物館」のX線CT調査により、さらに詳細が明らかとなった。

3Dプリンターで再現されたもの、左は舟形光背をともなった如来立像、右は三足卓に供養具。細かいところまで丁寧に彫られていることが分かる。
3Dプリンターで再現されたもの、左は舟形光背をともなった如来立像、右は三足卓に供養具。細かいところまで丁寧に彫られていることが分かる。画像一覧

7つのうち3つは空、また3つは紙らしきものが入っていることが判明し、「桜形桜折枝金具装」だけに直径2.3cm、高さ5.5cmの仏龕(ぶつがん、箱と仏が一体化となったもの)が納入されていることが判明。835断面を再構成し、3Dプリンターで実物大に出力。阿弥陀如来である可能性があること、またその精緻な造りが確認された。

「国宝「懸守」(七懸のうち桜形桜折枝金具装) 四天王寺蔵」
「国宝「懸守」(七懸のうち桜形桜折枝金具装) 四天王寺蔵」画像一覧

「白檀から作られる仏像を檀像と呼び、こちらは平安時代後期の檀像彫刻の新出作例です。平安時代において御守のなかに仏像そのものを籠めて携帯されていたということを初めて示すもので、信仰史上においても極めて重要な発見と思われます」と、四天王寺学芸員の一本崇之さんは語った。

「懸守」は3Dプリンターによる再現品とともに、「四天王寺宝物館」でおこなわれる『春期名宝展』で4月21日から5月6日に公開予定。

 

「四天王寺」

住所:大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066
URL:http://www.shitennoji.or.jp

  
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