月の井団吾のモデル、赤い人力車で参拝

2017.12.26 08:00

大阪天満宮の境内を通り、本殿で成功祈願をおこなった(25日・大阪天満宮)

(写真4枚)

2018年2月11日に大阪・道頓堀の「大阪松竹座」(大阪市中央区)でおこなわれる『桂春團治 襲名披露公演』で四代目を襲名する桂春之輔が25日、公演の成功祈願に「大阪天満宮」(大阪市北区)を参拝した。

桂春團治の名は、上方落語の大名跡。明治から昭和初期にかけて大活躍した初代は、現在放映中のNHK連続テレビ小説『わろてんか』に登場する落語家・月の井団吾(波岡一喜)のモデルにもなった人物で、上方落語界を代表する存在としてその名が引き継がれている。

この日、師匠・三代目春團治の遺品のひとつ・朱色の羽織紐を身に着け、ドラマでも象徴的に紹介された赤い人力車で「天満天神繁昌亭」から「大阪天満宮」へと向かった春之輔。赤い人力車は初代のトレードマークでもあり、繁昌亭が開場した日(2006年9月)の「お練り」で三代目が乗車したほか、上方落語協会会長の桂文枝も開場10周年の際に乗ったおめでたい車だ。春之輔は、人力車の上から境内の参拝者に声をかけ、襲名公演をPRした。

成功祈願に同行した一門。左から、寅之輔、春雨、小春團治、春之輔、梅團治、壱之輔、咲之輔
成功祈願に同行した一門。左から、寅之輔、春雨、小春團治、春之輔、梅團治、壱之輔、咲之輔

参拝を終えた春之輔は、「(本殿に迎えられる際)『野崎』の出囃子が聞こえてきて、何とも言えない心境になりました。心に響くものがありました」と、三代目の出囃子として知られる「野崎」での出迎えに感激。襲名披露公演を機に、自身の高座でもこの出囃子を使う予定だという。

「初代春團治から二代目、三代目に伝わっているのは華麗な芸風。それを踏襲できるのかいささか不安ではありますが、一生懸命やらせていただきます」と春之輔。襲名披露公演では初代から唯一、継承されている金くさりの羽織紐も披露したいと意気込みを語った。

取材・文・写真/岩本和子

『春之輔 改メ 四代目桂春團治 襲名披露公演』

日時:2018年2月11日(日)・14:00〜/18:00〜
会場:大阪松竹座(大阪市中央区道頓堀1-9-19)
料金:一等席7500円、二等席5500円
電話:06-7898-9010(松竹芸能)

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