安藤裕子「結局、自分の曲しか歌えない」

2017.12.11 18:00
(写真3枚)

「自分が楽しんでる姿は見せられるかな」(安藤裕子)

──確かに近年は、死生観、私小説的な部分が強く出た作品が多かったですね。ある意味、それは深刻化してきたとも言えたりして。デビュー当初はもっとたわいないことを歌っていたと思うんですよ。

そうそうそうそう。そうなんですよ。

──そういうところが安藤裕子の魅力のひとつだと思っていたので、そういう意味で、この『雨とぱんつ』はその感覚がちょっと戻ってきたのかなと。

うん。サウンドを遊ぶということですよね。元来、楽しくなければ意味はないのに、自意識の鏡がすっごい近くにあり過ぎちゃったというか。そういうところからちょっと離れて、この『雨とぱんつ』はライブ会場と通販限定のグッズのつもりで制作したんだけど、ディスクユニオンの店長さんが「そんなのもったいないから、うちで置くよ」って言ってくださって、どんどん広がっていって。それは、10年以上一緒にやってきた事務所やレコード会社、今のスタッフも含めて、みんなで得てきた信頼や友情だと思うんです。

──と同時に、レコード会社からも独り立ちしたという。

そう。空っぽのまま大人の女がステージに立って、どこに魅力があるんだって。お客さんにも、つまんねえ女だなって思われるだろうし。これまで彼らに大事に育ててもらったから、そろそろ自分で立たないといけないと。

──自分を見つめ直すことで、また新しい安藤裕子の音楽が生まれそうですね。

うん、そうですね。きっと、今までやってきたことをさらうようなことはできなくなっちゃうけど、自分が楽しんでる姿は見せられるかな。今回の『雨とぱんつ』はちょっとお遊び的な要素が強かったけど、次回はもうちょっと自分の趣味とかやりたいことを詰めて、要は自分が原盤制作ディレクター、プロデューサーになるべくやっていこうかな、と。だから今は、誰とどう組んだらいいか、人様の現場を見たりとか、エンジニアさんを調べたり、曲作りよりも人探しをしてますね。

安藤裕子本人も楽しんだ、大阪・中之島での残像撮影

──徐々に動き出しているのを聞いて安心しました。

ただ、だんだん自分が妖怪化してる感じがするんですよ。妖怪っぽい曲を作ってるときの方が楽しいというか。さっきの撮影した写真も、残像の方がリアリティがあるかも(笑)。

──以前もそんなこと言ってませんでした?

そうそう(笑)。アイドルか妖怪か、みたいなのが自分のなかにあって。アイドルみたいにもやりたいし、でも、歌ってて楽しいのは妖怪っぽくやってるときで。突き詰めると私、妖怪っぽいものが好きなんじゃないかって。そんなんで大丈夫かな(笑)。

──それもまた魅力のひとつですから。最後に、12月15日には大阪「森ノ宮ピロティホール」、来年1月8日には東京「なかのZERO」でライブが予定されていますが、どんな感じにしようと考えていますか?

最近は、安藤裕子の妖怪面というか、ストリングスと一緒に狂気じみたことをやっていたから、今回のライブはもう少しのほほんとしたいな、と。『雨とぱんつ』で出会った後関好宏さんと川崎太一朗さんにホーン隊として参加してもらいます。安藤裕子の楽曲では、ホーンズというのはわりとポピュラーな役割を担ってたんですけど、そういう楽曲をもう1回、再考してみたいなと。『あなたと私にできる事』は久しくやってなかったけれど、ホーンズと組むことでとても楽しみな1曲になってます。

──そのほかのメンバー構成は?

ドラムに伊藤大地くん(元SAKEROCK)、ベースに沖山優司さん、ギターに名越由貴夫さん、コーラスに酒井由里絵ちゃん、そして、キーボードの山本隆二くん。サウンドはかなりゴージャスです。特に大阪はクリスマス前だから、そういう楽曲もやりたいな。

安藤裕子

『安藤裕子 Premium Live 2017-2018 〜ゆく年くる年〜』
日時:2017年12月15日(金)・19:00〜
会場:森ノ宮ピロティホール
料金:6500円(3歳未満入場不可、3歳以上有料)

  • LINE
  • お気に入り

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

写真ランキング

エルマガジン社の本