葵わかな「京ことばに助けられた」

2017.11.19 08:00
(写真4枚)

「京都弁の言葉遣いに助けられた」(葵わかな)

──『わろてんか』は今の京都弁よりも古風で伝統的で、まさに「京ことば」というものだし、より大変だと思います。でも関西人は特に、主演の方たちのイントネーションがあまりにも変だと台詞の内容が入ってこないんですよ。でも5週のうちでもめきめき自分のものにしてられるのが分かります。

「ありがとうございます」

──舞台は京都から大阪へ移りましたが、京ことばと大阪ことばは違いますよね。はじめて藤吉さんの実家で挨拶したとき、義母役の鈴木京香さんにもイジられてましたが(笑)。

「京都にいるときは『どす』とか『してくれはりませんやろか?』とか『へ?』とか、コテコテの京ことばをたくさん使うようにしていたんです。でも大阪に行くとだんだんそれが薄れていくのは当然の話だろうな、ということになって。当初は大阪弁に移るという話もあったんですが、てんちゃんを創る上で京都出身だとか京都弁というのはすごく大きいよね、と。それで、周りは大阪出身のキャラクターばかりになっていくんですけれど、てんちゃんは最後まで京都弁を貫こうということになったんです」

京都編ではキラキラとした笑顔のてんを演じる葵わかな──それは朝ドラとしては画期的かも知れません。出生地から場所が移れば、いつの間にかそこの言葉に適応しちゃうのがいままでの常でしたから。でも大阪弁に取り込まれないほうが、てんちゃんの芯の強さを表現するかもですね。

「そうしていただいてよかったなと思う部分も結構多くて。例えば、てんの実のお父さんお母さんは『おとうはん』『おかあはん』、藤吉さんのお母さんは『おかあちゃん』で(どの親のことを言っているのか)ちゃんと分かるんです。あと、京都弁だと年齢を重ねやすいんです」

──うんうん、なんとなく分かります(笑)。

「『どないしたんですか?』を『どないしはりましたん?』と言うことでちょっと大人っぽくなったり、『そないなことしたらあかん』を『そないなことしたらあきまへんえ』って言うだけでちょっとお母さんぽくなるとか」

──婉曲的なというか、もってまわった感じはありますね。そこに毒が含まれたりすることも多々あるわけですが。

「直接的にではなくて、言いたいことを緩やかに伝えるのが母親的な感じがしました。鈴木保奈美さんが演じてらっしゃる『しずさん』はそういう雰囲気を持ったお母さんだったので、てんちゃんもそんなお母さんになっていきたいなと。私、実年齢が19歳なんですけど、もうとっくに自分の年齢を追い越して、撮影はいま15〜16週目で40歳手前(を撮っているところ)ですが、ずいぶん京都弁の言葉遣いに助けられています」

屈託のない笑顔を見せる葵わかな
屈託のない笑顔を見せる葵わかな

→ 次は「『笑い』について深く考えるようになった」と笑いのドラマの核心に迫る

連続テレビ小説『わろてんか』
日程:2017年10月2日(月)〜2018年3月31日(土)

映画『逆光の頃』
2017年7月8日(土)公開(関西は11月4日〜)
監督:小林啓一
出演:高杉真宙、葵わかな、清水尋也、ほか
配給:SPOTTED PRODUCTIONS

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