京都でユニークなネオンサイン写真展

©藤倉翼
北海道・札幌を拠点に活動する奇才の写真家・藤倉翼が、関西で初めての個展をギャラリー「VOU(棒)」(京都市下京区)で10月13日から開催します。
藤倉は写真家だった父の影響で1988年より写真を始め、広告写真や映像制作で活躍するかたわら、自身の作品を制作してきました。たとえば彼の代表的なシリーズのひとつ『関係線』は、都市や港、イベント会場など人々が集う場を撮影し、そこに写っている人々の視線に線を引いたものです。同じ場所に集う人々の視線を明らかにすることで、人間関係の交錯やその場にうごめく感情が幾何学的なラインとして立ち上がります。

そして今回、彼が発表するのは、2008年から制作を続けているシリーズ『ネオンサイン』です。この作品は、都会の夜を彩るネオンサインを撮影したもので、全国的に有名な地域や企業、商品のネオンサインが数多く見られます。もちろん、関西人にとって馴染み深い「道頓堀」のゲートや、戎橋の南詰にある「グリコ」の巨大看板も。しかも、このシリーズは単なる写真ではありません。プリントをマウントする額にはLEDライトが仕込まれており、コンピューターのプログラムで本物の看板のように明滅するのです。

藤倉はネオンサインを近代工芸の一種と捉えており、地域の人々と文化を象徴する存在としてリスペクトしています。しかし今、技術革新と職人の高齢化により、ネオンサインは衰退の一途。藤倉の作品は、一時代を築いたネオンサインへのオマージュとも言えるでしょう。現代文化を彩る存在でありながら、あまりにも日常的であるが故に顧みられず、静かに退場しつつあるネオンサイン。藤倉が作り出したユニークな作品を通して、その価値と美しさを再発見してください。
文/小吹隆文(美術ライター)
藤倉翼作品展『NEON-SIGN』
期間:2017年10月13日(金)~31日(火)
時間:16:00~22:00 ※水木曜休
会場:VOU(棒)(京都市下京区東洞院通四条下ル元悪王子町47-12)
料金:無料
電話:075-744-6577
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