4階建てビル相当の掛け軸、奈良で公開

2017.9.27 07:00

『本尊十一面大観音大画軸 大開帳』チラシイメージ

(写真5枚)

2018年に1300周年を迎える日本最古の巡礼道「西国三十三所」。その開祖・徳道上人ゆかりの「長谷寺」(奈良県桜井市)で来春、4階建てのビルに相当する日本最大の掛軸が公開される。

普段は非公開の大講堂で公開されるのは、高さ約16メートル、横幅約6メートル、重量125.5キログラムにも及ぶ「本尊御影大画軸」。室町時代の明応四年(1495)に、御本尊の十一面観世音菩薩立像が罹災したため、その復興の設計図として南都絵師・法眼清堅が画いたもので、ほぼ原寸大で御本尊が画かれている。そのあまりの大きさから掛ける事はできず、斜めに寝かせて展示されるという。

徳道上人が、師の道明上人とともに長谷寺を創建し、高さ約10メートルの巨大な御本尊・十一面観世音菩薩立像を造立。霊木で造られた御本尊は霊験あらたかで信仰を集め、長谷寺は観音信仰発祥の地として信仰の一大拠点であった。それ故に「西国三十三所」でも重要な意味を持つ寺院で、4月15日には『西国三十三所草創1300年記念法要』が営まれる。

国宝である長谷寺の御本堂
国宝である長谷寺の御本堂

今回の掛け軸は、御本尊のお御足(おみあし)に直接触れてお参りできる『春季特別公開』にあわせての公開。長谷寺僧侶の瀧口光記さんは、「大画軸と御本尊は、同じ大きな仏様を2つの違う形で表現したものですが、その奥にいらっしゃるのは長谷寺の観音様。それぞれをご参拝していただき、根本にいらっしゃる観音様を感じていただければ」と話す。掛け軸の公開は2018年3月1日から5月31日まで。期間中には、「長谷寺」初の試みとして「大観音大画軸御朱印」の授与(300円・入山料別途要)もおこなわれる。

文/いずみゆか

『本尊十一面大観音大画軸 大開帳』
期間:2018年3月1日(木)~5月31日(木)
時間:9:30~16:00(4/1以降は9:00〜)※拝観は〜16:30
拝観料:500円(入山料別途要)

『本尊大観音尊像 春季特別拝観』
期間:2018年3月1日(木)~6月30日(土)
時間:9:30~16:00(4/1以降は9:00〜)※拝観は〜16:30
拝観料:1000円(入山料別途要)

会場:総本山 長谷寺(桜井市初瀬731-1)
入山料:大人500円、小学生250円
電話:0744-47-7001

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