奈良で、鳥瞰と細密と幻想の不染鉄展

2017.9.8 07:00

《山海図絵(伊豆の追憶)》大正14(1925)年 木下美術館蔵

(写真4枚)

異色の日本画家・不染鉄(ふせん てつ、1891〜1976)。その才能を高く評価されながら、未だ不明な点も多い彼の画業に迫る21年ぶりの回顧展『没後40年 幻の画家 不染鉄』が、9月9日より「奈良県立美術館」(奈良県奈良市)でおこなわれます。

明治24年(1891)に東京・小石川の光円寺に生まれた不染鉄は、20代初めに日本美術院会員となりました。ところが、写生旅行に出かけた伊豆大島の式根島で漁師になり、3年間をこの島で過ごします。その後、京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)に入学。在学中に特待生となり、第1回帝展に入選、首席で卒業するなど華々しい活躍を見せました。しかし戦後は画壇を離れ、奈良県に住んで飄々とした制作活動を続けました。

《廃船》昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵

本展では、不染鉄の代表作や新発見の作品を含む絵画、焼物、絵葉書など約180件を紹介します。大正時代から繰り返し描いてきた富士山、奈良・薬師寺の東塔を描いた絵画や焼物、戦後に新たな画境を切り拓いた「海」を主題にした作品、晩年の胸中を感じさせる心象風景などが並び、彼の約60年に及ぶ画業を展観する絶好のチャンスです。料金は一般800円ほか。

文/小吹隆文(美術ライター)

『没後40年 幻の画家 不染鉄』

期間:2017年9月9日(土)〜11月5日(日)※9/11・19・25・10/2・10・16休館 
時間:9:00〜17:00 ※入館は16:30まで
会場:奈良県立美術館(奈良市登大路町10-6)
料金:一般800円、大高生600円、中小生400円
電話:0742-23-3968

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