昨年は大ヒットに湧いた邦画、今年は?

2017.8.23 12:00

© 2017「映画 山田孝之」製作委員会

(写真4枚)

「今、映画化したっていうのは正解」

斉藤「いや、人間的には合っても映画は別ですからね(笑)。石井監督と同じくらい僕のなかでは評価してなかった吉田大八監督やねんけど、今回の『美しい星』は素晴らしかった」

田辺「僕も『桐島、部活やめるってよ。』とか全然だったんですけど、『美しい星』はめっちゃよかった!」

春岡「あれはしょうがない、だって面白いじゃん」

斉藤「昔から大好きなんですよ、三島由紀夫の『美しい星』が」

春岡「三島が描いたのが第三次世界大戦だっけ? 要するに、キューバ危機や核戦争を背景に、宇宙的視点から人間を書いたんだけど、今回、映画化に際して、核戦争よりも地球温暖化の方がリアリティあるだろうって気を利かせたんだろうけど、現実的に核戦争になっちゃてるよね。(原作の発表から)55年経った今、三島の抱いていた危機が現実のものになってる」

斉藤「今、核戦争なんて言ったら、対北朝鮮になっちゃうからちょっと軸がずれてくる」

春岡「あの頃はまだ一応、東西戦争があってさ。要は社会主義と自由主義によるイデオロギーの戦いであって、今は朝鮮半島に対して、アメリカ、ロシア、中国、韓国、日本がどう対応するかってなっちゃってるんで、逆にリアルすぎる(笑)」

斉藤「極東の話になり過ぎちゃう。だから、あれはあれでよかったんじゃない」

春岡「あのキャスティングが最高じゃん。火星人のお父さんがリリー・フランキーしかいねえじゃん。亀梨和也、橋本愛もいいし、原作では木星人だけど、映画では地球人を守った中島朋子。ハマり過ぎでしょ、という」

斉藤「中島朋子が地球人のままなんや!って(笑)。そりゃ太陽系連合なんやから地球人でも無理ないんだけどね。でも、ネズミ講に引っかかるとかいうのは陳腐すぎるんやけど」

春岡「まあ、あの家族を作っただけで、大成功でしょ。あれは今しか出来ないキャスティング。だから、吉田大八監督が今映画化したっていうのはものすごく正解だったと思う」

© 2017「美しい星」製作委員会

斉藤「結果、輪廻じゃなかったという『豊饒の海』(三島最後の長編小説)と一緒でさ、もともと思い込みというか、妄想である可能性を前提に書かれてる小説やからね。三島さん一流の、すべてを台無しにする結末で(笑)。でも、最後UFOを出してきて、なんか妙に美しかったんよね。で、やっぱり改めて思ったのは阪本順治監督は『団地』で『美しい星』をやりたかったんだって。僕は観た直後から言ってたけど」

春岡「言ってた、言ってた。『美しい星』を観て、『団地』を観ると、それがよく分かる」

斉藤「海外の映画人をはじめ、『美しい星』をやりたいという話はよく聞くんでね。大島渚監督がやりたがってたのは有名やけど。大友克洋も漫画で描いてるでしょ。知りません?『ショート・ピース』で。まんまパロディを」

田辺「あ!気づかなかったけど、言われてみれば・・・」

斉藤「四畳半で学生が溜まって、『実は俺、金星人なんだ』って。もうまんま『美しい星』」

春岡「あぁ、タイトルは忘れたけど、俺持ってるわ」

斉藤「みんなリスペクトしてるねん、その時々の人が。だから今回、ひとつ形になって良かったなと。『団地』観た後で吉田大八と聞いてすごく心配やったけど(笑)。あと、橋本愛関連でいえば、瀬田なつき監督の『PARKS パークスもすごく良かった」

※瀬田なつき監督インタビュー「すれ違いが好きかも」

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