河瀬直美監督「日本の宝物を見つけて」

2017.6.8 20:00

「NARAtive」キックオフイベントに登場した河瀬直美監督、永瀬正敏、神野美鈴ら(4日・奈良県天理市)

(写真3枚)

奈良在住の映画作家・河瀬直美監督がエグゼクティブディレクターを務める『なら国際映画祭』。そのプロジェクトのひとつである「NARAtive」のキックオフイベントが4日、奈良「天理駅前広場」で開催。俳優・永瀬正敏、神野美鈴も駆けつけたトークライブで、「NARAtive」に託した想いについて語った。

【関連写真】斉藤工や三上博史らも駆けつけた『なら国際映画祭 2016』

『なら国際映画祭』で上映される「NARAtive」は、海外から有望な映画監督を招き、奈良を舞台に映画を撮り下ろすという試み。前作は奈良・東吉野村×主演・藤竜也という組み合わせで『東の狼』が撮影された。今回は初の女性監督となるイラン人のアイダ・パナハンデを迎え、天理市の全面協力を得て今秋から撮影がスタートする。

映画祭開催の背景には、日本に対する危機感があったという河瀬監督。「(地方に対して)こんな田舎はいやだ、物もないし経済も潤っていない、というネガティブな言葉が使われがち。そして優秀な人材が都市部や海外に流れることで、日本人の文化が失われている。そうしたなかで、NARAtiveを通して、地方都市の美しさを伝えようとしてきた」

「優秀な人材が都市部や海外に流れることで、日本人の文化が失われている」と語る河瀬直美監督(4日・奈良県天理市)

そして、「海外監督の客観的な目で地方を見たとき、私たちは地方が持つ美しさに気付くことができる。そして映画として地方の生活を見れば、『なんて美しい場所なんだ、なんて美しい人々なんだ』と観客に思ってもらえる。私たちで、日本、奈良、天理の宝物を再発見したい」と語り、会場からは温かい拍手がわき起こった。この「NARAtive」作品は、2018年9月に予定されている『なら国際映画祭 2018』で上映されるという。

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