ギリシャ展、紀元前から輝く金に驚く

2016.12.25 08:00

紀元前1500年ごろに作られた金の円形飾り板。金は当時から最高の装飾品

(写真6枚)

『特別展 古代ギリシャー時空を超えた旅ー』。その名の通り、数千年前の時代を覗けるタイムカプセルのような展覧会が、12月23日より「神戸市立博物館」(神戸市中央区)で開催されている。

ツノが今もなお輝きを保つ牛頭形リュトン(紀元前1450年頃)、肉体美の生々しさを感じさせてくれる石像たち(紀元前500年頃)・・・、エーゲ海文明(紀元前6800年頃)からヘレニズム時代(紀元前325年頃)の出土品まで、展示数は325点。基本的に「出土」という言葉が使われているが、ほとんどの展示物が最近作ったような造形美と空気感で、金の食器や指輪などにいたっては今の時代よりも装飾技術が高いようにも感じる。その造形物が3000年以上経って形を保っていることにも驚くが、何よりも金の装飾品がピカピカ輝いていることに感動する。

紀元前1500年ごろに作られた金杯。約3500年経っても輝きを保っている
紀元前1500年ごろに作られた金杯。約3500年経っても輝きを保っている

「金の展示品は発見された当時のままのもので、一切手を加えていません。それでもこれだけ輝いているということは、当時の技術がよほどすごかったのでしょう」と学芸員は説明する。数千年前に今と変わらない美意識が完成していたのか、それともその美意識をずっと引き継いできたのか、いろいろな考え方ができるが、それを心の中でイメージするのも展覧会の楽しみ方のひとつだ。

紀元前1世紀頃に作られたブロンズ製のレスリング像。当時レスリングはエジプトの人気スポーツだった
紀元前1世紀頃に作られたブロンズ製のレスリング像。当時レスリングはエジプトの人気スポーツだった

また紀元前800年頃の古代オリンピック時代の展示品で、円盤投げのシーンが描かれた銀貨などを見ると当時発行された記念硬貨なのか?とか、彫像「イルカに乗ったアフロディテ像」(紀元前2000〜1000年)は今のフィギュアのような楽しみ方をしていたのでは?と思わせるようなものもあり、歴史ロマンを感じさせてくれる。当時の発想の豊かさも想像し、その歴史を楽しんでみては。

取材・文・写真/谷知之

『特別展 古代ギリシャー時空を超えた旅ー』

期間:2016年12月23日(祝・金)〜2017年4月2日(日)・9:30〜17:30(土曜〜19:00)※入館は閉館30分前まで ※月曜休&12/29〜1/3休 ※1/9・3/20開館、1/10・3/21休館
会場:神戸市立博物館(神戸市中央区京町24)
料金:前売=一般1300円、大高生900円、中小生450円、当日=一般1500円、大高生1100円、中小生600円
電話:078-391-0035

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