びっくり箱状態に沸く「エリザベート」

2016.12.26 20:00

5人の歴代トートが揃いそれぞれの個性で魅せる。まさに奇跡的な場面に!

(写真4枚)

ミュージカル『エリザベート』の日本上演20周年を記念した『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』が「梅田芸術劇場メインホール」(大阪市北区)で開催。12月18日までの10日間、宝塚歌劇団の元トップスターから現役生まで歴代出演者が勢ぞろいし、それぞれが難曲を魅力的に歌い上げ、改めて名作の素晴らしさを伝えた。

今回のコンサートは3つのバージョンがあり、「モニュメントバージョン」では初演の雪組メンバーが楽しいトークと貫禄の歌声を披露。「フルコスチュームバージョン」ではスターたちが当時の衣装を着け、全編をほぼ網羅する形で歌いきった。黄泉の帝王「死」トートや、悲劇の皇后エリザベートの生き様を伝える表現力やエネルギーなど、キャリア豊かな今の彼女たちだからこそ魅せられるものが凝縮していた。

現役時代には実現しなかった、春野寿美礼トート×朝海ひかるルドルフの同期競演
現役時代には実現しなかった、春野寿美礼トート×朝海ひかるルドルフの同期競演

さらに驚くのは12月17・18日の「アニヴァーサリーバージョン」。こちらも暗殺者ルキーニの冒頭シーンから、トートとエリザベートの昇天まで物語を辿りながらのコンサート上演。最初のトート登場では、麻路さき、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、水夏希という5人の歴代トートがズラッと並び、楽曲「私を燃やす愛」を歌い継ぐ。物語の中に「5人のトート閣下降臨!」という趣で20周年ならではの豪華な演出に胸躍る内容に。

スタイル抜群のフランツ役・稔幸と、初エリザベート役で高音も聴かせた龍真咲
スタイル抜群のフランツ役・稔幸と、初エリザベート役で高音も聴かせた龍真咲

その後トートは交替で登場し、大鳥れい、白羽ゆり、龍真咲演じる3人のエリザベートとパートごとに異なる組み合わせで物語を進めてゆく。フランツ役にいたっては6人のキャストが代わる代わる登場。次の場面で誰が出てくるのかという期待感が続く、予測がつかないびっくり箱状態だ。

1217日昼公演で2幕後半のルキーニ役を演じた湖月わたるが、皇帝と皇后の顔写真入りマグカップを観客にプレゼントする場面では、「今日のマグカップはスペシャル! 6人のフランツと3人のエリザベートの写真が入っているぜ」と言い、客席を沸かせていた。

なお「アニヴァーサリーバージョン」は、回ごとにそれぞれの歌うパートが異なる趣向。出演者はそんな舞台を楽しんでいる様子で、水夏希は「TCAスペシャル(宝塚歌劇団の年に一度の合同イベント)のようなドキドキ感、ワクワク感がありました」と挨拶。奇跡的なキャスティングがかなった今コンサートの東京公演は1月8日~20日まで行われ、4月18日には3つのバージョンを収めたDVDが発売される。

取材・文/小野寺亜紀 写真/岸隆子(Studio Elenish

『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』

2枚組DVD 4月18日発売予定
TCAD-518/10000円(税込)
宝塚クリエイティブアーツ

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