エスコヤマ「僕でないと作れないもの」

2016.11.22 19:00

1年に約340軒近くは食べ歩くという小山シェフ。食べたものがチョコのアイデアに

(写真4枚)

イギリスで開催された『インターナショナル・チョコレート・アワーズ』で、金・銀・銅賞合わせて世界最多の24品で受賞を獲得した、「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県三田市)の小山 進シェフ。11月22日に大阪で記者会見で行い、制作秘話などを語った。

著名なフードジャーナリスト、カカオ研究家、料理研究家らが審査する世界的なコンクール『インターナショナル・チョコレート・アワーズ』での受賞に加え、C.C.Cとして有名なショコラ愛好会『Club des Croqueurs de Chocolat(クラブ デ クロクール ド ショコラ)』でも6年連続で最高位のゴールドタブレットを獲得。その背景にあるのは、想像もつかないような組み合わせや、素材へのこだわりだ。

これまでも、大徳寺納豆、黒七味、ふきのとうなど思わぬ組み合わせのチョコレートを手掛けてきた小山シェフ。「僕のチョコは日常のなかから生まれてくる。だから変わったチョコレートを作ろうと思っているわけではなく、おいしい素材に出合うとチョコレートにしたいと思ってしまう。例えば、寿司店でおいしいかんぴょうに出合ったときとか。食べていると組み合わせを考えてしまう」。そして、今回登場した新作には、かんぴょう、奈良漬け、煮きり醤油など、和食を中心に食べ歩きする小山シェフならではのラインアップが揃う。

「SUSUMU KOYAMA's CHOCOLOGY2016」1728円。奈良漬けをフレーク状にしたり、中国茶・ 鳳凰単叢蜜桃香とマンゴーを組み合わせたり、ほかにはない味を表現
「SUSUMU KOYAMA’s CHOCOLOGY2016」1728円。奈良漬けをフレーク状にしたり、中国茶・
鳳凰単叢蜜桃香とマンゴーを組み合わせたり、ほかにはない味を表現

「僕が新作を作るときは、実験です。自分が頭に思い浮かべている味に向けて配合を少しずつ変えるのですが、実際に採用したのは1割もない。しかも、去年のアイデアはあまりやりたくない・・・作ってみたとしても何かが違うんです。今年は180種考えて作ったのは65種類、そして出品したのは35種。そのなかで24種が受賞しました」。はたして、本人はいくつ受賞すると思っていたのかというと「正直言うと、全部です」と自信たっぷりな返事。そして、受賞できなかった理由については「自分に負けたんですよ。出したいのをすべて出したら、同じカテゴリーになってしまったものもあって。そうすると、自分で賞を獲ってしまっているためとれなかった(笑)」。

すでに来年を見据えて、アイデアは書き留めているそうで「僕でないと作れないものを作っていきたい。そして、今年作ったものをさらに来年越えていきたい。今年のを食べてもらわないと来年さらにすごくなったことが分からないので、この味を経験してほしいと思っています」。今年、受賞したチョコレートの新作は11月25日から順次、「パティシエ エス コヤマ」内のショコラトリー「Rozilla」で販売される。

2016年に獲得した「インターナショナル・チョコレート・アワーズ」のトロフィー
2016年に獲得した「インターナショナル・チョコレート・アワーズ」のトロフィー

「パティシエ エス コヤマ」

住所:三田市ゆりのき台5-32-1
営業:10:00~18:00 水曜休
電話:079-564-3192

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