小吹隆文撰・週末アート10/5〜

2016.10.5 18:00
(写真3枚)

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週紹介する展覧会は、どれも視点がユニークで、今までの認識とはまた違った発見を呼び覚ましてくれます。

尼崎市の風景を取材した新作を発表
『ヤマガミユキヒロ展 ロケーション・ハンティング』
@あまらぶアートラボ A-Lab(兵庫県尼崎市)

実景に基づいたモノクロの風景画を描き、その画面に同一の場所で定点撮影した映像を映写する「キャンバス・プロジェクション」で知られるヤマガミユキヒロ。

《location-hunting(view of amagasaki)》習作
《location-hunting(view of amagasaki)》習作

昨年に「あまらぶアートラボ A-Lab」(尼崎市)のオープニング展に参加した彼は、その後約1年間かけて市内を丹念に調査して、新作を制作しました。その発表展となるのが、この「ロケーション・ハンティング」です。彼の作品には、特別な物語も大きな出来事も起こりません。時間や光の移ろい、その場所で起こる小さな出来事が淡々と進行するのみです。しかし、それら無関係な出来事の積み重なりを見るうち、我々は物語の予兆を感じ取ります。その予兆こそがヤマガミ作品の核心なのです。

2016年10月1日(土)〜11月27日(日)
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北欧デザインのエッセンスを堪能
『マリメッコ展ーデザイン、ファブリック、ライフスタイル』
@西宮市大谷記念美術館(兵庫県西宮市)

フィンランド・デザインを代表するデザインハウス、マリメッコ。同社の60年にわたる歴史を紹介する展覧会が行われます。

ファブリック《ウニッコ》(ケシの花)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年Unikko pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964
ファブリック《ウニッコ》(ケシの花)、図案デザイン:マイヤ・イソラ、1964年Unikko pattern designed for Marimekko by Maija Isola in 1964

1951年にアルミ・ラティアによってヘルシンキで創業されたマリメッコは、優れたデザインと巧みなPR戦略により1960年代には世界的なブランドとなりました。その特徴は、フィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得た、大胆、カラフル、抽象的なデザインです。ヘルシンキのデザイン・ミュージアムの所蔵品から、ファブリック約50点、貴重なビンテージドレス約60点、デザイナーの自筆スケッチ、各時代の資料・映像などが揃う本展で、マリメッコの歴史と個性あふれるデザイナーの仕事ぶりを堪能してください。

2016年10月8日(土)〜11月27日(日)
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天才絵師・若冲と京都の関係を探る
『生誕300年 若冲の京都 KYOTOの若冲』
@京都市美術館(京都市左京区)

正徳6(1716)年に京都錦小路の青物問屋に生まれ、家業の傍ら狩野派、尾形光琳、中国元・明代の絵画を学んだ伊藤若冲(1716〜1800)。40歳で家業を譲り画業に専心した彼は、写生的・装飾的な花鳥画や斬新なタッチの水墨画で活躍しました。そして現代でも「奇想の画家」として人気を博しています。

伊藤若冲《老松鸚鵡図》 個人蔵
伊藤若冲《老松鸚鵡図》 個人蔵

彼の生誕300年となる今年、既に東京や京都で若冲展が行われていますが、本展では若冲と京都の関係をテーマにしているのが大きな特徴です。若冲が生きた時代(18世紀)、京都では数多くの文化人や絵師が活躍し、日本史上でも希有な文化的高揚期を迎えていました。そんな京都だからこそ若冲という画家は生まれえたという事実を、本展でご確認ください。

2016年10月4日(火)〜12月4日(日)
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