1300万人超動員の韓国映画が上陸
2015.12.11 21:30

『生き残るための3つの取引』『ベルリンファイル』などを手掛け、韓国No.1監督とも称されるリュ・スンワン監督が、最新作『ベテラン』のキャンペーンのため来日。韓国では1,340万人を動員した大ヒット作について、映画評論家・ミルクマン斉藤が直撃しました。

インタビューに応えるリュ・スンワン監督
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「シリアスなものをシリアスに撮るのは、前の2作品で疲れてしまって。もっとたくさんの人にこうした題材に関心を持ってもらいたい、と戦略を修正してみたんだけど、当初はこれほど熱い声援を受けるとは思っていなかった。不当な権力や司法システムに対する思い、労働問題のさまざまなストレスに訴えたのが、韓国で大きな興行成績をもたらした理由かな。結局エンタテインメント映画は、難しい問題をいかに判りやすく説いていくかに意義があるんだと思う」

“前の2作品”というのは『生き残るための3つの取引』(2010)と『ベルリンファイル』(2013)。巨大な裏権力や国際舞台における南北問題など、ヘヴィで社会的なテーマを扱ったリュ・スンワン監督。だが、最新作『ベテラン』は、非情な財閥の腐れ御曹司 vs 正義のためなら手段を選ばぬ広域捜査官チームとの闘いをすっきりくっきり描いたアクション・コメディ。韓国では近年屈指の大ヒット作となった。でも主演は韓国映画界きっての演技派ファン・ジョンミン、しかも同じはみだし刑事役ということで『生き残るため~』の姉妹的作品とみることもできる。

劇中の一場面、左が演技派ファン・ジョンミン
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「ジョンミンさんは『3つの取引』の取材時に同行していて、現場の刑事たちの日々の営みをよく知っていたんだ。だから今回は最初から彼を主人公に想定して書いたし、演技のことで私が注文をつけることもなかった」

 しかしその逆が、財閥の御曹司テオ役のユ・アインだったという。彼は俳優業のほか、モデルとしても活躍、韓国ではアイドル的な人気を誇っている。

劇中の一場面、ユ・アイン演じる御曹司テオ
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「予想通り、キャスティングはとても難航したんだ。でもたまたま映画祭で会った彼が、少年ぽくて誠実なイメージから脱却したいと考えていて、事務所を通さずOKしてくれた(笑)。でも彼は従来通りのキャラを演じるテレビドラマの撮影でとても多忙で、真逆の人物を形成する時間がない。そこで、彼がすでに持っている資質を役に引き寄せることに方向性を変えたんだ」

監督が「コレでイケる」と思ったのが、賃金不払いに抗議し、親会社の財閥に乗り込んだトラック運転手をさんざ痛めつけるシーン。

「息子の前で運転手の父親に暴力を振るうんだけど、そのときユ・アインの顔が笑ってるんだよね。悪党の微笑みじゃなく、子どもが楽しんでいるような無邪気な笑顔で、いっそ美しくさえある。このシーンを撮影してからスタッフたちの、彼に対する視線が一変した。アクション監督まで『俺がヤツを叩きのめしてやる!』ってほどの感情がこみ上げてきたらしい(笑)。それで僕もアインもやっと自信が持てた」

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映画『ベテラン』

韓国最大のタブー「財閥の横暴」を題材としたアクション映画。武闘派刑事ドチョルは、あるパーティで財閥三世のテオを出会う。後日、テオの会社で従業員が自殺を図った。その状況を不審に思ったドチョルは、単独で捜査を行うが、警察上層部から圧力がかかり、捜査は打ち切られてしまう。それでも事件を追うドチョルだったが、テオは巨大な資金と権力を武器に、その包囲網から逃れていく・・・。

2015年12月12日(土)公開
監督:リュ・スンワン
出演:ファン・ジョンミン、ユ・アイン、ユ・ヘジン、ほか
配給:CJエンタテインメント
2時間04分
シネマート心斎橋、T・ジョイ京都で上映
URL:http://veteran-movie.jp

  
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