紀里谷和明「映画に対する執念です」

インタビューに応じた紀里谷和明監督
とある時代の封建社会を舞台に、主君への揺るぎない忠誠心をもつ気高い騎士の姿を描いた映画『ラスト ナイツ』。監督3作目となる本作で、ハリウッドに進出した紀里谷和明監督。そのキャストがとにかくスゴイ。『シンシティ』のクライヴ・オーウェン、ハリウッドを代表する名優モーガン・フリーマン、韓国映画界に君臨する国民俳優アン・ソンギら、豪華な面々が名を連ねる大作となった。そのPRのため大阪に来た紀里谷監督に話をうかがった。
── ハリウッドデビュー作と騒がれていますが、それ以上に監督のビジョンが3作目にしてようやく映画として結実した印象が強いです。その環境が整ったのがハリウッドだった、ということですか?
おっしゃる通り、ハリウッドにこだわってるわけじゃなくて、やりたいことができるのがどこなのかという話で。そもそもハリウッド・システムというのは、作品を広めるチャンネルが大きいんですよ。それゆえにマーケットが大きい、イコール予算も大きいという。そのシステムが非常に効率化されているんです。ハリウッド映画といっても別にハリウッドで撮ってるわけじゃないですしね。
── 予算があるというのは、監督にとって大きなことですか?
もちろん、それは非常にありがたいこと。『CASSHERN』(2004年)も『GOEMON』(2009年)も、本来だったら数倍予算が必要なところを、いろいろ頭使って成立させてたわけで。でも、やっぱり無理が出るところがある。まあ、この『ラスト ナイツ』にもそういったところが全くないわけではないけれど(笑)。悲しいかな、映画というのは極めてビジネスと密接に関わっている芸術媒体だからね。だから、予算があるというのはホントにありがたかったですね。

── その環境で作られたのが、この「忠臣蔵」を題材にした『ラスト ナイツ』なわけで。総勢17カ国のクルーが参加し、国籍を問わないキャスティングやロケーションもトピックのひとつですが、まず今回の脚本に惹かれた理由は何ですか?
いわゆる、人が生きる上での本質が描かれているんですね。僕自身もそれを信じるところであって。人間というのは所詮、「死ぬまでにどう生きたのか」ということでしか計れないと思うんですよ、自分の人生を。なにを所有したとか、どれだけ有名になったとか、どんな肩書きを得たのか、じゃなく。どれだけ自分が信じるものに忠実に生きたか、ということだと思うんですね。それが描かれている脚本だったから。
── 「忠臣蔵」といえば、それこそ日本の大晦日の大定番で、日本人はすごく愛着のある物語だと思うんですが、それが国は変わろうと、それこそ文化や宗教が違っても通じる世界観があると?
そう、それを描きたかった。「忠臣蔵」の本質って、君主に対する絶対的な「愛」だと思うんです。それって、キリスト教信者のキリストに対する想いもそうであり、イスラムの方々も同じじゃないですか。だから、世界中の人にこの物語を理解していただける確信があったし。そもそもアメリカ人の脚本家(マイケル・コニーヴェス)がこの脚本を書いているわけであって。クライヴもモーガンも脚本に惹かれての参加ですからね。
映画『ラスト ナイツ』
2015年11月14日(土)公開
監督:紀里谷和明
出演:クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマン、ほか
配給:KIRIYA PICTURES、ギャガ PG12
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