東欧ガラス芸術の名品170件が神戸に
2015.6.18 16:10

13世紀以来の伝統を誇るボヘミアン・グラス。現在のチェコ共和国周辺に花開いたその歴史と変遷を、「プラハ国立美術工芸博物館」の所蔵品170件でたどる展覧会が、現在開催されています。

水差セット(デカンタ、ビーカー、盆) 1840年頃 ハラフ・ガラス工場、クルコノシェ山脈ノヴィー・スヴェット
水差セット(デカンタ、ビーカー、盆) 1840年頃 ハラフ・ガラス工場、クルコノシェ山脈ノヴィー・スヴェット画像一覧

展覧会は時代順に構成されています。15〜16世紀のビーカーと呼ばれる酒器はシンプルな形をしており、絵付けもカラフルではありますが素朴さの方が勝っています。しかし、17世紀後半に透明度の高いカリ・クリスタルが発明されてからは様相が一変し、緻密なカットやエングレーヴィング(彫り)を施した装飾の多い作例が現れます。また、2層のガラスに金箔模様を挟むゴールドサンドイッチ技法や色ガラス、黒エナメル彩といった技法も確立され、18世紀にはヨーロッパのガラス市場を席巻する勢いとなりました。

酒器セット 1900年以降 マイヤーズ・ネッフェ・ガラス工場、シュマヴァ・アドルフォフ(製作)
酒器セット 1900年以降 マイヤーズ・ネッフェ・ガラス工場、シュマヴァ・アドルフォフ(製作)画像一覧

19世紀には、古典主義、帝政様式、ビーダーマイヤー様式、歴史主義など、さまざまな様式の作品が作り出され、20世紀に入るとアール・ヌーヴォー、アール・デコを経て機能的なデザインへと変化。第2次大戦後は、作家性を前面に出したオブジェや造形性の高い作品で高い評価を確立します。

こうした時代ごとの技術やデザインの変遷を、とびきりの名品で楽しめるのが本展の醍醐味です。また、まるで磁器のような不透明ガラスや、独自の装飾センスなど、我々日本人とは異なる美意識が窺えるのも興味深い所と言えるでしょう。梅雨から夏にかけての蒸し暑い日々が続く今、ひんやりとした耀きを放つガラス作品で美と涼の二重取り、なんていうのはいかがでしょう。

取材・文・写真/小吹隆文(美術ライター)

「プラハ国立美術工芸博物館所蔵  耀きの静と動 ボヘミアン・グラス」

期間:2015年6月6日(土)~8月30日(日)
時間:10:00~17:00(土曜は~19:00) ※月曜休、7/21休(7/20は開館)
会場:神戸市立博物館(神戸市中央区京町24)
料金:一般1,300円、大高生900円、中小生500円、小学生未満無料
電話:078-391-0035
URL:http://www.city.kobe.lg.jp/museum/

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