10周年の安藤裕子「もっと軽くていい」

2013.12.3 12:00
(写真2枚)

「今は安藤裕子バンドが一皮むけるための途中」(安藤裕子)

──2005年のベスト盤『THE BEST ‘03〜’09』までがいわゆる第1期というか、そこをひとつの区切りとして安藤裕子というミュージシャンの形を作り上げてきたじゃないですか。

「そうですね」

──で、そのベスト盤以降は新しいアレンジャーと絡んだり、さっきおっしゃってたみたいに楽曲も「私小説」的に・・・というのが第2期だとしたら、ここで1つの集大成となるのか、さらに探っていくのか?

「集大成とはならないですね。生きているからには気持ちも変わるし、経験値も変わるし、そういう意味では変化の途中でしかないんですよ。例えるなら、1人の安藤裕子という歌うたいが山本くんたちと出会ってバンド化していくまでの道のりだったのかなと。今はその安藤裕子バンドが一皮むけるために、何をやろうかって考えてる途中なのかなと思いますね」

──そのなかで、さっき言われた「軽さ」みたいなものが大切だと。

「今は、がっつり安藤裕子ファンの人たちに、内側をこっそりお話しているようなことが多いんだけど、それを全く知らない道行く人の耳にも届けていきたいなと」

──コンビニとかでもひっかかってくるような?

「う~ん、密室でロウソクつけて内輪でこそこそやっているようなタイプの音楽から、もうちょっと外に向けていけたらなと。人が普通に聴いて心地よかったり楽しかったりするようなものもちゃんと出来るようになりたいねって」

──今回の『グッド・バイ』でいうと、前半の曲だったり。

「うん。もっとポップな曲を作ろうって『完全無欠の空と嘘』とか『サイハテ』とかは、軽快さとか軽やかさとか、そういうことをすごい意識して作った曲で」

「シングルをきりたいんですよ、このご時世に(笑)」と安藤裕子
「シングルをきりたいんですよ、このご時世に(笑)」と安藤裕子

──10月のオリックス劇場のライブでも、最後に歌った『サイハテ』のときは、みんな一気に立ち上がってましたもんね。

「父親の友人も来てくれてたみたいなんですけど、母曰く、最後の曲になったらバッて立ち上がってたわよって。名古屋でのライブもそんな感じでしたね」

──その「軽さ」というのは、ライブのMCでおっしゃってた「ペンライトやりたい」に繋がるんですか?

「まぁ、ペンライトは憧れですね(笑) 。今回のライブでやった『ローリー』のペンライトっぽいノリも、『サイハテ』でみんなが立ち上がるってことも今までには無かったので新鮮でしたね。今までだと『やべぇ、安藤裕子のライブ咳ひとつしたら殺される』みたいな雰囲気になりがちだったから(笑)。だから、ダンスものがやりたいという珍しい意見が出てきたり」

──ダンス、ですか?

「ダンスって言っても近頃のじゃなくて、スライ&ザ・ファミリー・ストーンとか、そういうの。今までとは違うものを作っていきたいなって。そうそう、シングルをきりたいんですよ、このご時世に(笑)、3連発ぐらいで」

──シングルを?

「そう。でもそれやらないと、何万人って不特定多数の人に対して『今こんなことしてますよ』っていうのはやっぱり伝わらないんですよね。名刺渡し的なことをやりたいなと」

──そこでスライを?

「そうそう(笑)。アンディーともっさんとちょうど3人いるから、1枚目はアンディーがやりたいこと、2枚目はあたしね、じゃあ3枚目はもっさんで・・・みたいな。そういうコンセプト立てた作り方って最近してなかったんで」

──1回型にはめて曲を作るってとこから、また新しい面白さが生まれるかもしれませんね。

「気づいたら同じメンバーで長くやってますから、やっぱり曲に対して必要なものとか、探してる答えだったり、共通して感じるものは増してるから、ある意味初期ほど迷う必要もなくなったというか」

──でも、答えにすぐたどりつける反面、それとは違う可能性を取っちゃうリスクもあると。

「そうそう。その探りみたいな部分を改めて入れていきたいなって。遊びも含め『徹底的に作り物』っていうものをやりましょって話はしてるんですけど。アルバムになると私小説的なものが増えてくるんで、シングルとして名刺を渡す時には、サウンドの方向性とか、持ってる技みたいなものを「こういうこともできますよ」って、披露するのもいいかなって」

──以前シングルのカップリング企画でやっていた、カバーのような?

「そうなの。私もカバーはやりたいと思ってて。しばらくシングルをリリースしてなかったから、必然的にカバーもしてなかったんですけど」

──『セシルはセシル』(早瀬優香子)とか『君は1000%』(1986オメガドライブ)とか、制作も選曲も贅沢でしたよね。

「もう予算の半分以上をカップリングに注いでましたから(笑)。人数編成も確実にカバーの方がいっぱい入ってて。あんなに力を込めてたので、その第2弾を作るためにもシングルをきらないと」

──カバーのために(笑)。

「そうそう(笑)。なんか久しぶりにやりたいんですよね。その前にアコースティックライブもやりたいねぇなんて話も出てるんで。その時にも何かできたらね」

──楽しみです。では最後に10周年ということで、ひとつ区切りのコメントを。

「なんだろう。デビューしてからいつも思ってるのは健康長寿? やっぱり身体が大事だなって10年目にして強く思います。ビバ健康で(笑)」

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