人気モデルから役者の道へ・・・東出昌大

「ちょっと分かってもすぐ次の壁ができて・・・」(東出昌大)
──ほかの役者を見て、すげえなって思ったこととかありますか?
もう、ずっと思いっぱなしでした(笑)。監督が僕と神木くんに演出をつけるときも違っていて、神木くんの場合はセリフの強弱やテンポだけで、あと、そっちのテンションじゃなくてこっちで、と提示されたら、すぐそれができるっていう。引き出しの多さをすごく感じましたし、感情が爆発する部活のシーンではみんなに驚かされましたね。
──神木くんはもうベテランというか、相当経験を積んだ役者ですけど、ほかの方はこれから、というキャリアの方も多かったと思うのですが、だからこそ、待ち時間とかに役者論的な話はしませんでしたか?
待ち時間もそうですが、ホテルに1カ月ほど缶詰だったので、夜は部屋に集まって話をすることしか無かったんですね。だから毎晩のように、「明日のこのシーン、どうやればいいんだろう?」とか、「桐島ってホントのところ、なんで辞めたんだと思う?」とか。そういう話がずっとできたので、いい経験というか、そこでグッと役者に惹かれるようになりました。
──吉田監督はどうでした? 一緒に仕事をされて。
あんまり日常生活で使わない言葉ですけど、偉大な方だなぁって思います。モデルの仕事をしている頃から、たとえば有名なデザイナーさんや編集長とか、この人と一緒に仕事をしたい!って思うような方が度々いらっしゃって、吉田監督と最初にお会いしたときも、同じような感覚が芽生えました。こっちが話さなくても内面を見られているというか、全部見透かされてるんだろうなって。
──なにか印象に残っている言葉とかありますか?
う~ん、クライマックスの夕日のシーンで前田(神木隆之介)に宏樹がカメラを向けられるんですけど、台本には涙って書かれていたんです。これは泣かなければと思っていたんですけど、監督に「感情でやっていいんだよ」って言われて。スッと肩の荷が下りたというか。ありがとうございますって感じでした。
──いろいろものを掴もうと夢中で演技されてたと思うんですけど、少しでも役者とは・・・みたいな部分、いろんな人のアドバイスも含めて、見えてきたりしましたか?
現場に入る前と入ってから、そして、撮影が始まってから・・・毎回、ちょっと分かってもすぐ次の壁ができて、それを乗り越えて、ちょっと分かったかなという瞬間はあるんですけど、でもすぐに壁はあって。作品を全部終えた後に、ちょっとは成長できたかもって役者同士で話してたんですけど、でも、演出家によって、監督によって全然違うからねって、キャリアのある子に最後に言われると、確かにそうだ。また壁があるんだろうなって(笑)。役作りも違うだろうし、演出の付け方も違うかも知れないし、なにが良しとされるかも分からないので。まぁ、壁っていうのはずっとあるんだろうなって思いますね。

──特に今回は高校生役で、ややフレッシュに見せないといけないのはありますが・・・実体験として経験してきたわけですが、そのあたりは生かされました?
やっぱり、容姿の問題で高校生に見られるかなって不安はありましたけど、そればっかりは年には逆らえないので。でも、撮影当時は23歳だったんですけど、その年齢だからこそシナリオの宏樹の気持ちが分かるのかなって。高校生の僕が読んでも、全部は理解できないというか。前田が「光」に見えて、という感情は分からなかったと思うので。
──高校時代はどうでした? 宏樹と比べて。
宏樹ほどの華やかさはなかったですけど(笑)、部活一辺倒だったので。小学生の頃からずっと剣道を続けてたんです。部活も剣道で、学年でもウルサイ方だったし。ただ、前田たちから見たら悩みがないって思われてるかもしれない宏樹ですけど、同じように悩んでいたというのはあるので。
──でも、宏樹の悩みが一番高校生らしいなって。くすぶってるけど、どうしていいか分からない。彼女も友だちもいて、端から見たら楽しそうな、不自由のない学園生活を送っているのに、どこかモヤモヤした部分を抱いているという。
原作のなかで、校長先生の「君たちは真っ白なキャンバスなんだ」って話があって。宏樹がその話を聞きながら、「真っ白なキャンバスだから、なんだ? 別に描きたいこともないし、何描いていいか分かんないし、そんな適当な言葉で大人が濁すな」ってあって。そのフレーズを読んだときに、まさしく!って思ったので。だから宏樹には共感できましたね。
──それでは最後に、今回、どういった想いをこの映画に託したかをお聞かせください。
はい。原作を読んでない方からすれば、タイトルから、また予告からは奇抜な映画なのかなって想像されるかもしれないですけど、明確な答えというのは無くて、かといって、分かりづらいわけでもなく、観る人によって意見が変わると思うんですね。高校生じゃない方は昔を思い出すだろうし、高校生は何か気付けるものがあるかもしれないし、中学生なら心踊らせることもできるだろうし、答えはないけどホントに人生の糧になる感動があると思いますので、ぜひご覧ください。
──たしかに、観た人がどういう想いを抱き、で、その後、どういうアクションをとるかで完結するような映画だと思います。今後。役者としてご活躍される機会は多々あると思いますし、また映画に出演された際にはぜひインタビューさせてくださいね。
はい、ありがとうございます。がんばります!
東出昌大 (ひがしで まさひろ)
1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。高校時代、「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得しデビュー。187cmの長身を生かし、2006年からはパリ・コレクションにも出演。zuccaやヨウジヤマモトのモデルとして活躍する。映画『桐島、部活やめるってよ』で本格的に俳優デビューを飾る。
『桐島、部活やめるってよ』
2012年8月11日(土)公開
監督:吉田大八
出演:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、大後寿々花、ほか
日本/ショウゲート
1時間43分
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