米倉涼子「当たって砕けるつもり!」

2011.4.26 21:00

大阪で記者会見をおこなった『風と共に去りぬ』主演の米倉涼子

(写真2枚)

南北戦争の動乱期をたくましく生き抜いた1人の女性の半生を描いた物語。ハリウッド映画の金字塔としても語り継がれるマーガレット・ミッチェル原作『風と共に去りぬ』が舞台版として登場。主人公を演じる女優の米倉涼子が、大阪で記者会見をおこなった。

初めて映画版の感想は、「わ~、キレイな人!」

デビュー当時、勉強のためにたくさんの映画を見ていたのですが、その時に名作と言われる本作を見た覚えがあります。初めてみたときは(主演のヴィヴィアン・リーが)「わ~きれいな人だなって」。あんなにキュートで、あんなに大胆なことをやるなんて! というギャップが印象的でした。自立した女性を描くことにしても当時としては画期的な作品だったと思う。今改めて作品を見直してみて、大役に挑戦させていただくんだなーとしみじみ実感しています。

意に反して「強い人」と言われる(笑)

原作を読むとスカーレットの悪巧みや男性以上のガッツ、なんでこんな気持ちになるのかが、手に取るように分かる。時代を超えて共通点ってあるんだなーって。特にレットに「大丈夫、君は強いから1人でもやっていける!」と置いていかれる場面。私だって本当はか弱くて寂しくて、でもだからこそ反対にスゴいことやっちゃう! みたいな。その気持ちは分かりますね。私も行く先々で意に反して「強い人」と言われるので(笑)。

終始、笑顔で会見に応じた『風と共に去りぬ』主演の米倉涼子
終始、笑顔で会見に応じた『風と共に去りぬ』主演の米倉涼子

共感できない、アシュレイへの恋心!

好きな人に好きだ! と体当たりできる勇気や大胆さには、まだそこまで役に踏み込めていない状態ですね。本来の私はもうちょっと遠慮がちなので。あと、(スカーレットが思いを寄せる)アシュレイは個人的にあんまり好きな性格じゃない(笑)。稽古を通して自分の気持ちがどう変わっていくのかは楽しみなところ。

また、レット役の寺脇さんとは飲み友なので、最初のキスシーンのポスター撮影のときは恥ずかしかった。でもさすがに寺脇さんは大先輩なので瞬時に役作りされて。リードしてくれる感じがレットにも似ていて、こうやって本番も引っ張ってくれるのかなと。今後どれだけ”レット度”を上げてくれるのかも楽しみですね。

初舞台気分…「当たって砕けるつもりです!」

クラシックな衣裳で踊ったり演じたりするのは初めてなので、ある意味初舞台気分。以前、大河ドラマの撮影で襖に向かってノックしたことがあって、みんなに笑われたんですけど。今回も自分では気付かない同じような失敗が一杯出てくると思う。それでも、当たって砕けるつもりです!

半世紀前の作品「名作の人気を下げないように⋯」

今は女性の自立が当たり前の時代ですが、男性を踏み台にしてまで立ち上がって行く姿に共感したり、反対に女らしくありたいと思う方がいてもいいし。また、戦争と震災は違いますが、愛していた街を失ったスカーレットの姿を通して、震災の現場でお手伝いしたい気持ちになったとか、何かを感じていただければいいなと思います。半世紀前の作品を今再演できるのは作品に力があるから。多くの人に愛される名作の人気を下げないように、がんばりたいですね。

取材・文/石橋法子

『風と共に去りぬ』

原作:マーガレット・ミッチェル
脚本:菊田一夫 潤色:堀越真 演出:山田和也
出演:米倉涼子、寺脇康文、紫吹淳、岡田浩暉、高橋ひとみ、ほか

期間:2011年6月3日(金)~12日(日)全13公演
会場:梅田芸術劇場メインホール
料金:S席12,000円、A席7,000円(全席指定)※未就学児入場不可 
電話:06-7732-8888(キョードー/10:00〜19:00)

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