今週末、飲みたいワイン。第5回
カテゴリ:お酒
家飲みの日々が続くなか、偶然立ち寄った天満橋のワインショップ[salvis wine & records]で、お薦めのヴァンナチュール(自然派ワイン)の複雑な味わいに開眼。カタカナや専門用語が苦手な人でも楽しめる! 週末に飲みたい、小さな作り手による物語のあるワインを紹介します。
第5回
町の主要な品種を、ロゼの微発泡で親しみやすく。
『Fizzi Miska 2017 Vinceller』
今回は、ハンガリーの北西部の町ショプロンで造られる、ロゼの微発泡ワインをご紹介します。
オーストリアとの国境にある町、ハンガリーのショプロンは、古くからある国内有数のワインの生産地。この地では紀元前から、自生品種のブドウ栽培が行われていたという長い歴史があるんです。
今回紹介するワインを造る「Vinceller(ヴィンツェレール)」は、3つの家族が共同で立ち上げた珍しいパターンのワイナリーで、醸造を主導する中心人物が写真のティボルさんです。醸造学校を卒業後、隣接するオーストリアのワイナリーで修業しました。

農園があるのは、フェルテー湖を擁する国立公園の中。ハンガリーとオーストリアにまたがるその湖と周辺一帯の景観は、世界遺産にも登録されています。そのような立地から、ビオロジック(有機栽培)の認証は取っていないものの、限りなくそれに近いリュット・レゾネ(減農薬栽培)。恵まれた自然環境を生かしてブドウを育て、シンプルに醸造することを基本に、土地の魅力を感じさせるような素直な味わいのワインを造っています。

今回のワイン『フィジ・ミュシカ』に使用される黒ブドウの「ケークフランコシュ」は、ハンガリー、中でもここショプロンでは古くから栽培される主要な品種。19世紀のナポレオン戦争時には、その品質の高さから、金銭の代わりとして取引したという記録があるほどなんですよ。このケークフランコシュに、より多くの方に親しんで欲しいという想いから生まれたのがこちら。ロゼの微発泡にすることで、かなり飲みやすく仕上がってます。
どんな味ですか?
柔らかい泡で飲み心地がよく、優しい果実味でほんのり自然な甘さも。白子や赤身の刺し身、薬味の花穂じそといった和食によく合うので、和食店の方の反応もいいですね。ほんのり酸が効いていて、食事のスタートにもお薦め。ロゼは日本ではそれほどメジャーではありませんが、食事にも合わせやすく、ワインの中で一番の万能選手なんですよ。
飲んでみました。
スクリューキャップで開けやすく、保存しやすいのが嬉しい。ふわっとベリーが香るようなゆるい甘さと酸味、優しい泡感で飲みやすさ抜群。辛口でスッキリしてます。明るいうちから芝生の上で飲みたい感じ。この地域で栽培される「ケークフランコシュ」の価値をあのナポレオンが認めたと知ると、飲むときのテンションが少し上がりませんか。


今週のワイン
フィジ・ミュシカ 2017 ヴィンツェレール
産地:ハンガリー・ショプロン
1,980円(税抜)
salvis wine & records
[天満橋]
大阪市北区天満3-3-18 順源ビル1F
TEL 06-6356-7072
12:00〜20:00 水曜休
Instagram(@salvis_wine)
店主・野口一知さんがセレクトする小さな作り手のワインと、好きな音楽のレコードを扱う専門店。ワインはヨーロッパを中心に約200種を扱い、その約8割がナチュールワイン。知識ゼロでも、味の好みや飲む相手などを伝えれば、ぴったりのワインを教えてくれる。奥には隠し部屋的なバー空間があるのでぜひお尋ねを。全国発送可。
2周年を記念して、レコードをテーマカラーの緑に統一。
プロフィール
MeetsRegional編集室 1989年創刊以来(今年で31年目突入!)、関西の街をフォーカスし続けるリージョナル・マガジン。編集部員をはじめ、誌面に携わるさまざまなスタッフが自分の足で探してきた店や人、モノやコトを、私感たっぷりにご紹介。街や酒場の“ゴキゲン”を言い訳に、どうにも飲める(飲み過ぎる)スタッフ多め。現在、「WE♥酒場」をキャッチフレーズに、酒場にまつわるエトセトラを12カ月連続で特集中。毎月1日発売。
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