京都・南座で「ルパン歌舞伎」第二弾、愛之助の早変わり&米吉との“メロい”宙乗り…見どころ満載

2時間前

『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)次元大介役・市川笑三郎、流白浪燦星/石川五ェ門役・片岡愛之助、峰不二子役・市川笑也、銭形刑部役・市川中車 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

(写真6枚)

国民的人気漫画『ルパン三世』を歌舞伎化した、通称「ルパン歌舞伎」の第二弾『流白浪燦星 碧翠の麗城(るぱんさんせい へきすいのれいじょう)』が、9月2日に「南座」(京都市東山区)で開幕。アニメでおなじみの演出から、歌舞伎ならではの宙乗りまで、見どころ満載の舞台の様子をレポートする。

■ 冒頭から大立ち回り!「ルパン歌舞伎」ならではの演出に大興奮

諏訪の春宮家の一人娘・瀬織姫(中村米吉)は、太守の父が亡くなったため、執権の瀧津弾正久水(坂東彌十郎)と結婚して、家を存続することになっていた。そこに、姫のいる寺の財宝を盗みに来た流白浪燦星(愛之助)たちが登場。自分の運命に疑問を持ち、自由に生きたいと思う姫は、故郷・諏訪にあるお宝の鍵となる「碧翠の勾玉」を手に、流白浪に協力を願い出る。

冒頭から、寺の財宝をめぐる大立ち回りで観客をガッ!と舞台に惹きつける。今回愛之助は、石川五エ門も早変わりで演じているが、本当にあっという間に入れ替わっていて、まるで魔法を見せられているようだ。

『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)次元大介役・市川笑三郎、石川五ェ門役・片岡愛之助 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹
『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)次元大介役・市川笑三郎、石川五ェ門役・片岡愛之助 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

■ おなじみテーマ曲、タイプライター音…ファン歓喜の仕掛けが満載

さらに三味線や笛などの和楽器が、誰もが聞き覚えのあるテーマ曲を演奏し、いっそう舞台を盛り上げる。そしてアニメではおなじみの、タイプライターの音を使ったタイトル表示まで再現され、これはファンなら大喝采だろう。

そして物語は、姫の故郷に闇の薬が蔓延していること、その背後には弾正がいること、さらに姫の両親の死にまつわるミステリーなどが、次々に明らかになっていく。

そしてお宝にたどり着くまでには、伝説の化物との戦いあり、思いがけない裏切りあり、ファンタジーのような展開ありと、とにかく観る者を楽しませる仕掛けが満載だ。なかでも流白浪と瀬織姫の宙乗りシーンは、これこそ今でいうところの「メロい」ってやつだ!と、自信を持って言える。

左から、瀬織姫(中村米吉)、流白浪燦星(片岡愛之助)Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹
3月新橋演舞場公演より。左から、瀬織姫(中村米吉)、流白浪燦星(片岡愛之助)Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

■ 初心者も歌舞伎ファンも楽しめる、古典と現代の絶妙な融合

物語はオリジナルだけど、劇中ではアニメや映画で有名なシーンや台詞がそこかしこに散りばめられていて、ファンならば「あー、あれあれ!」と、より楽しめる内容になっている。そして、古めかしい言葉をあまり使わず、現代劇感覚で観られる部分も多い一方、古典歌舞伎の様式をたっぷりと楽しめるシーンも。

特に米吉が演じる女形の美しさと、今回のラスボス・彌十郎の立ち回りの貫禄は、歌舞伎を知らない人のほうが圧倒されそう。本当に愛之助が再三アピールするように、初心者も歌舞伎マニアも両方楽しめる舞台だ。

『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)瀧津弾正久永役・坂東彌十郎、銭形刑部役・市川中車 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹
『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)瀧津弾正久永役・坂東彌十郎、銭形刑部役・市川中車 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

■ 愛之助、米吉、猿弥らが語る「ルパン歌舞伎」の見どころ

囲み取材で愛之助は「東京や名古屋の公演から、いろんなところがブラッシュアップされましたし、南座では京都ならではの台詞もあります。第一弾をご覧になっていなくても大丈夫です!」と自信を見せると、ヒロインの米吉も「今回は出てくるたびに違った衣裳を着ていて、この先こんなに何着も着ることはないと思います。この公演で、私は宙乗り100回目を数えるそうです。ぜひ観ていただきたいのですが、いつだか私もわからないです(笑)」と、記念となる公演になることを明かす。

『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の囲み取材にて(左から)坂東彌十郎、市川猿弥、市川笑三郎、中村米吉、片岡愛之助、市川笑也、市川青虎、市川中車 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹
『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の囲み取材にて(左から)坂東彌十郎、市川猿弥、市川笑三郎、中村米吉、片岡愛之助、市川笑也、市川青虎、市川中車 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

また、諏訪国でキーマンとなる蕎麦屋を演じる市川猿弥は「前回(第一弾)に続いて、今回も殺されます(笑)。どう死んでいくか観に来てほしい」と見どころ(?)を語るとともに、市川笑三郎と彌十郎も出ているため「『流白浪』と共に『VIVANT』も宣伝してください!」と言って、会場を沸かせていた。

『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)七藍屋雅吉実は守矢正之助役・市川猿弥、流白浪燦星役・片岡愛之助、銭形刑部役・市川中車、瀬織姫役・中村米吉 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹
『流白浪燦星(ルパン三世) 碧翠の麗城』の公開稽古にて(左から)七藍屋雅吉実は守矢正之助役・市川猿弥、流白浪燦星役・片岡愛之助、銭形刑部役・市川中車、瀬織姫役・中村米吉 Ⓒモンキー・パンチ Ⓒ松竹

南座公演は9月26日まで。チケットは販売中で、1等席1万6000円、2等席9000円、3等席6000円、特別席1万7000円。2027年2月には福岡公演も予定されている。歌舞伎と『ルパン三世』を掛け合わせた新作ならではの世界を、ぜひ劇場で楽しんでほしい。

取材・文・写真(会見のみ)/吉永美和子

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