難波ベアーズ育ちのアーティスト達が語る それぞれの「ベアーズ観」閉店した大阪のライブハウスの本当の凄さとは?

1時間前

難波ベアーズの入り口にて。左からオシリペンペンズ 中林キララ、KK manga ハマジ,あふりらんぽ ONI。右上はリモート参加となったオシリペンペンズ石井モタコ、あふりらんぽ PIKA☆(2026年8月6日 撮影:Lmaga.jp編集部 )

(写真27枚)

想い出波止場ボアダムスROVOなどでの活動でも知られる、ギタリストの山本精一が店長を務め、関西でもとりわけ個性派が集うライブハウスとして親しまれてきた「難波ベアーズ」(大阪市浪速区)。

7月31日をもって従来の場所での営業を終えたベアーズだが、今回はその40年に及ぶ長い歴史の一端を改めて振り返るために、2000年代以降のベアーズの申し子的存在といえる、あふりらんぽONI(vo&g)とPIKA☆(vo&ds)、オシリペンペンズ石井モタコ(vo)と中林キララ(g)、そしてKK manga のボーカリストにして、近年のベアーズをスタッフとして支えてきたハマジの5名に集まってもらって、座談会を行った。

ベアーズ
1986年にスタートし、40年の歴史をもつ難波ベアーズ。2026年7月31日「NAMBA BEARS LAST GATHERING」をもってこの地での営業を終了した(2026年8月6日 撮影:Lmaga.jp編集部 )

あまりメディアなどで語られる機会が少なかった、2000年前後以降のベアーズと各々の関わり、印象的だったステージ、そして最後まで常に新たな試みや才能の発掘が続けられてきた、ごく最近の動きやベアーズで培われた音楽観などについて、広く語ってもらった。(注:PIKA☆とモタコは前半のみリモートでの参加、ONIも中盤で退席の時間となったため、図らずもリレー形式のように座談会が進行していったことを、予めお伝えしておきます)

取材・文/吉本秀純 撮影(一部)/Lmaga.jp編集部

座談会のはじまりに、2009年休刊した弊社発行の情報誌「Lmagazine(エルマガジン)」のベアーズのライブ情報欄を見て、「懐かしい」「出てた出てた!」と当時を懐かしんで盛り上がりました(2026年8月6日 撮影:Lmaga.jp編集部 )

◆「関西ゼロ世代」の代表格、あふりらんぽのベアーズデビューは「エスカレーター式」!?

難波ベアーズ最終日楽屋にて、あふりらんぽONI(vo&g)とPIKA☆(vo&ds)(2026年7月31日 難波ベアーズ 撮影:Lmaga.jp編集部 )

――まずは、ベアーズに出演するようになった頃の話から聞かせてください。

PIKA☆「ベアーズって、ウチにとっては自分のバンドでライブする初めての場所やったんですよね」

キララ「僕もそう」

ONI「でも、考えたらすごいな。それがベアーズって」

PIKA☆「ONIの方が一学年上の高校の先輩で、先にベアーズにも別のバンドで出てたから。あふりらんぽはオーディションとかなかったんちゃうかな。なんかスルスルッと出れた感じ。 もうエスカレーターみたいな感じでベアーズのステージに行った感じやった」

モタコ「じゃあ、出たらあかんやん(笑) 」

ONI(vo&g)とPIKA☆(vo&ds)(2018年12月2日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )


PIKA☆「他はデモとか送っても何の反応なかったのに、ベアーズだけがやらせてくれて」

ONI「そう。誰からも相手にされへんかった。ベアーズからしか返事がなかった」

ハマジ「それが何年くらいですか? 」

ONI「 2002年じゃない?他では大阪城公園で勝手にセッション・ゲリラ・パーティーをやって演奏してたけど、警察に怒られて。そこで(あふりらんぽの)1回目のライブをしたけど、友達とかも呼んでたのに誰も観てなかった(笑)」

あふりらんぽ・PIKA☆(2018年12月2日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

――自分たちで機材を運んで無許可でやるイベントみたいなものですよね…。

ONI「そう。それは5回ぐらいやったけど、 SNSもない頃だったのに口コミで人がどんどん増えて、最後は楽器屋さんとかもすごい機材を持ってきて、爆音で朝5時まで勝手にやってたから。そら怒られる。 めっちゃ遠くのマンションに住んでいたおっちゃんがチャリンコで夜中の2時ごろに走ってきて〝うるさいんじゃあ!〟って。その当時は世の中をナメ腐ってたから」

キララ「まさに『URUSA IN JAPAN』(※あふりらんぽが2005年に発表したメジャーデビュー作のタイトル)」

ONI「今思ったら、絶対あかん音量」

PIKA☆「そう考えたらさ、ベアーズは、やっぱみんなと出会った場所。 ベアーズに通い始めてペンペンズと会ったし、巨人ゆえにデカイとか。今のこのウチら世代周りは、ほぼベアーズで出会ったんじゃない? 」

キララ「そうだね」

ONI「アウトドア・ホームレスもそう!」

あふりらんぽ・ONI(2018年12月2日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

◆ 「ヤバ…!先輩やったん?」(ONI) 実はあふりらんぽの先輩・オシリペンペンズ

オシリペンペンズ (2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

――オシリペンペンズが活動し始めたのも同時期ですか?

モタコ「ペンペンズが最初にベアーズでやったのは 、1999年12月25日」

ONI「ヤバ…!先輩やったん?」

モタコ「当たり前じゃバカ(笑)。クリスマスやったから覚えてるのよ。その日が公開オーディションになった、たぶん誰もやらへんかったから。で、その4ヶ月後くらいから出始めたと思う」

キララ「僕は最初はエフェクターとかやって、まだギターは弾いてなかった時期なんですよ」

オシリペンペンズ 石井モタコ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

モタコ「嬉しかったのは、ベアーズの紙のマンスリー・スケジュールに三沢さん(※当時のベアーズのブッキング担当。ラブクライの三沢洋紀)が、このバンドはどんなバンドでとコメントを手書きで書いてくれていたこと。初めて人にレスポンスもらった気がして。アレは凄かったよね、だって一応全部の日にこの日はどんな日でとか、このバンドはスカムでとか書いててさ」

PIKA☆「最後まで紙のスケジュールってあったん?」

ハマジ「一応最後まであったんですが、もう昔みたいにいっぱい配ってなかったです。モタコさんもマンスリー・スケジュールに載ってる4コマ漫画を描いてた時期があったんじゃないですか?」

モタコ「そうそう、書いてた。 でも、下品過ぎて嫌がられてました」

ハマジ「この10年近くは秋葉さん(※秋葉慎一郎。南森町のレコード店「熱帯夜」店主)が毎月ずっと4コマ漫画描いてくれてましたね」

オシリペンペンズ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

◆ 「大阪といえばベアーズだと。クイックジャパンとか雑誌に書いていた」(キララ)

モタコ「でも、中林くんもベアーズを目指して、新潟から大阪来たって感じやんね? 」

キララ「うん。やっぱり事前に大阪といえばベアーズみたいなことを雑誌とかで見ていて」

ONI「へぇー、新潟でも」

オシリペンペンズ 中林キララ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

キララ「もちろんボアダムス周辺とか調べたり、クイックジャパンとか読んでたら出てくるし。でも、初めて行ったのが何だったかは、今あまり思い出せなくて。 で、むしろ当時は結構テクノっ子だったから、 ロケッツとかも行ってました。 だから、ペンペンズで出たのは、わりとすぐだったかもしれないですね、そんなにめちゃくちゃ通ってたわけじゃないと思う。憧れてたけど」

モタコ「ピカチュウとかONIは、山本さんの存在は知ってたの?」

PIKA☆「なんかじわじわ分かっていった。 店長がおると」

ONI「ボアダムスはもちろん知ってた」

PIKA☆「でも、なんかボアダムスからハミ出た人がおる、という印象やって。山本さんが。 ウチはそんなに音楽めっちゃ聴いてたタイプちゃうからさ、ボアダムスのこともあまり分かってなかった。でも、伽奈泥庵(※カナディアン。不定期にベアーズ人脈のライブも行われていた谷町九丁目のエスニック喫茶)にはよく通ってたから、そこで話を聞いたり、ライブを観たりして自然と知っていった」

キララ「でも、俺らもベアーズに出て相当時間が経ってから、初めて山本さんとちゃんと話したよね。最初の頃は、行ったら山本さんと会えるもんかと思ったら全然会えなくて。 山本さん来た!と思ったら、非常灯とかを確認してそのまま帰って(笑)。ずっとそうやったよね」

例の非常灯(2026年7月31日 難波ベアーズ 撮影:Lmaga.jp編集部 )

モタコ「2~3年はそうやったんちゃうか? 」

キララ「で、ある日、イベントに出てくれ、とか直接言ってもらうようになった」

◆「あふりらんぽ解散ライブ」「灰野敬二×ペンペンズ×あふり×マゾンナ」…印象に残るライブ

あふりらんぽ(2018年12月2日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

PIKA☆「あ、でも、あふりの解散ライブ(2010年)の時はめちゃくちゃ面白かったな。スギム(クリトリック・リス)とかいろんな人に赤い恰好して出てもらって、最後に山本さんがダンボールから出てきてくれた。赤い服で」

ONI「出てきた、出てきた! あんなんようやってくれたな」

PIKA☆「あと、個人的に死ぬほど楽しいとなったのは、オシリペンペンズとあふりとワッツーシ・ゾンビの3バンドでベアーズでやった時に、初っ端から全員ステージに上がってる状態になるくらいテンション上がりまくって。それが癖になるくらい楽しかった。でも、やっぱあの当時、ペンペンズ、あふり、ワッツーシ、ちょっと違う角度でズイノシンみたいな構図があって。また違う角度でMIDI-Saiとかもあって、みんな今もやってるけど、めっちゃめちゃ楽しかったな」

あふりらんぽ(2018年12月2日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

――モタコさんは、最初はどういう経緯でベアーズに深入りしていったんですか?

モタコ「やっぱ、最初は山本さんがやっている場所ということで、ベアーズにデモを持っていこうと思って行きました。そんな感じやんね、中林くん」

キララ「そうだね。 僕なんかも最初は、雑誌媒体からそういうヤバいところがある、面白いバンド、アーティストがいっぱい出ているというのが真っ先にありました」

モタコ「当時クイックジャパンに載っていたTASKE(タスケ)というミュージシャンがいて、そのTASKEがベアーズに出るということで99年に観に行ったら、お客さんが俺とそのツレの2人だけしかおらへんくて(笑)」

オシリペンペンズ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

キララ「雑誌に載るような人が出てたのにね」

モタコ「だから、田舎モンからすると、こんな雑誌に載る人やからお客さんめっちゃ来てるんやろなと思ったら、俺らだけやったみたいな。それで〝なんやコレ?〟と思ったのが最初かな」

ハマジ「あ、TASKEを観に行ったのが最初なんすか?」

モタコ「そうそう、ペンペンズで出る前。でも、すごく良かったよ。TASKEは今でもいいと思っているから」

――ペンペンズとしてベアーズに出演して、特に印象に残っているライブとかは?

モタコ「なんでしょうかね? 最初の10年ほどはホントに毎月くらい出てたから…。でも、灰野(敬二)さんとペンペンズ、あふり、マゾンナがそれぞれ合体して、同じ日に灰野さんが3ステージ立つという日が一番良かった。東瀬戸さん(※東瀬戸悟。日本橋のフォーエバー・レコード店主)の企画で」

オシリペンペンズ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

キララ「あの日は面白かったね。で、モタコくんは最初、バイクで登場したよね?」

モタコ「原付を地下まで降ろして。じゃあ、灰野さんが怒ってバイクを蹴りだして(笑)」

キララ「終わってからも〝ガソリン臭いよ!〟とか言われてね」

ONI「え、それウチもおったん? 全然覚えてない…」

閉店後、撤収作業が進むベアーズ店内にて(2026年8月6日 撮影:Lmaga.jp編集部 )

◆ 「ベアーズで影響を受け合って…」関西の音楽シーンは独自の進化を続けてきた

――ところで、ベアーズ閉店を受けてSNSに書かれていたことで印象深かったのは、ベアーズ以外では受け入れられなかったのに出演させてくれた、と感謝のコメントを書いていた音楽家が多かったことですね。それは非常に重要だと思いました。

ONI「そら独特のシーンが生まれるよな、大阪。こういう変なライブハウスが一軒あるだけで、そこでみんな影響を受け合って、どんどん変な表現をお客さんをあまり呼べなくてもやらせてくれていたというのが、やっぱ一番デカいんじゃない?」

ハマジ「もちろん箱代とかはある程度ありますよ。ナシって言ったら、ホンマに誰も呼ばんヤツばっかりになるから(笑)」

ONI「確かに、それはそう。でも、精一さんも、何かで〝一番おもろいライブの時には、全然人がおらん〟みたいなことを言っていて。あ、そういう意味ではこの前企画したウチのライブか…(6/9に企画した『BEARS大好き!2』)」

ハマジ「こないだONIさんが最後にベアーズでやったソロ企画。アレは面白かったですよ」

「段ボールご持参で500円off」とあまり聞いたことのない告知がされていた『BEARS大好き!2』のセッティング風景。客席も段ボールで埋め尽くされている(2026年6月9日 難波ベアーズ )

ONI「DOJOSQEEZ(ONI+サブちゃん+MeNeM)という、めっちゃ面白い人たちとどじょうすくいを踊るという、最近組んだユニットで」

――MeNeMは最近また活動を本格化させてきたDj Shabushabuの新名義だけど、サブちゃんというのは一体誰なんですか?

ONI「サブちゃんは、実は元々むちゃくちゃ有名な写真家で売れっ子やった、たけむら千夏という荒木経惟賞とかも獲っている、写真界の人たちは知ってる人。その後、写真辞めて、主婦していたのが、最近になって〝サブちゃん〟という名前でDJを始めて。才能もセンスも凄くて何をやっても面白いから、一緒にユニットを組んだ。そこに〝よさこいマン〟という(会場の中を)ダンボールだらけにする人と、東京からむっちゃ激しいDJ TOMMY(BOY)を呼んで、絶対におもろい組み合わせやったけど、いろいろ説明が足りてなくて。平日なのもあって全然予約が伸びなかったな…」

ハマジ「でも、今までのベアーズの歴史とONIさん以外はあまり関係がない人選で、コレはベアーズでしか出来ひんかったかも、というイベントが行われてましたね」

『BEARS大好き!2』と題したONIの企画は「DOJOSQEEZ(ONI+サブちゃん+MeNeM)」のほか、よさこいマン、TOMMY(BOY)ANJI が出演(2026年6月9日 難波ベアーズ )

ONI「だって、トミーも有名やけどベアーズでやってないし、よさこいマンもベアーズではやったことがなかったし。 DOJOSQEEZも始めたところで、ウチがライブするのに気付いてない人もかなりおった」

ハマジ「あと、ANJIちゃん(※滋賀県の盲学校に通う、現在14歳のシンセ奏者/トラックメイカー)ですね。彼女も凄かったですよ」

ONI「そうそう。ANJIもな。最近、スーパーオギャーでもよく弾いてもらってる」

◆ ハードコアやパンク、ノイズ、歌モノやロック、地下アイドルまでベアーズの奥深さ

KK manga (2026年7月4日 難波ベアーズ 撮影:倉科直弘 )


――ハマジさんはKK manga としてバンド活動をしながら、ベアーズのスタッフ/ブッキング担当として最後の10数年ほどを支えてきたわけですけど。ベアーズに出入りするようになったのは、いつぐらいからだったんですか?

ハマジ「最初は、2007年ぐらいですね。その時はまだ高校生で結構ガッツリと通ってたから、ペンペンズやあふりのライブも客としてバリバリ観てました」

ONI「ハマジって今、何歳?」

ハマジ「37です」

ONI「うわ、ホンマにGEZANと同い年やん」

ハマジ「そう、同じ世代ですよ。だから、もう20年くらいおるんです、ベアーズに。で、KK manga を2010年くらいから始めて、13年か14年くらいからスタッフとして働くようになったんですけど、最初に行ったのはハードコアのライブですね。The FuturesとかNightmareとか。だから、ベアーズってかなりいろんな側面があって、いろんな人の『ベアーズ観』があるということを真面目に伝えたいですね。ベアーズの話をするんだったら。今回のこの対談も、かなり局地的な話になってるんで(笑)」

お客さんとして、その後出演者として、さらにスタッフとしても10年以上ベアーズを支えたハマジ(2026年7月31日 難波ベアーズ )

――ベアーズといえば、どうしてもスカムとか極端な音楽ばかり目立ってしまうけど、ハードコアやパンク、ノイズなども層が厚ければ、研ぎ澄まされたメロディの歌モノやロック、地下アイドルなども幅広く出演していたし。観る人の角度によって、かなり違う顔を持っていた。

ハマジ「そう、それがかなり重要だし、ベアーズの本当の凄さやと思います」

KK manga (2026年7月4日 難波ベアーズ 撮影:倉科直弘 )

――ハマジさんも、ブッキング担当として、従来のベアーズではやってなかったような企画を通したりしてましたよね、例えば「慈愛」(※obocoDJ自炊が関西の地下音楽シーンで活躍する尖ったDJたちを招聘して毎月開催された、ベアーズ初の本格的なDJイベント)とか。

ハマジ「きっかけはobocoさん自炊さんですが、まだベアーズでやってなかったことを、やりたかったのはありました。『慈愛』を継続してやれたことでDJイベントも定着して、ほとんどのジャンルが行われていた、多岐にわたるスペースになっていた気がします。だから、いろんな出演者やお客さんの中に〝自分にとってのベアーズはこういう感じ〟みたいなのがあると思うんですけど。それがいっぱい組み合わさったのがこの40年のベアーズだったということがかなり重要やと思いますね」

キララ「うん。で、それはひいてはやっぱり、山本さんの表現の幅の広さみたいなのに直結するんじゃないですか。スカムからちゃんとしたものまで」

ハマジ「そうですね、スカムでいうとキララさんと佐伯誠之助さんと水内義人さんがレギュラーで年一回開催してきた『伝説の夜』とかは、変なスカムなことをしてるわりに、近年はフロアの緊張感がヤバくて。ショボいことをしたら受け入れられへんような雰囲気があって、アレが一番緊張すると佐伯さんも言ってました(笑)」

トイレ前に掲示されていた『伝説の夜』ポスター(2026年7月31日 難波ベアーズ 撮影:Lmaga.jp編集部 )

――なるほど。求められるスカムさのレベルが、かなり高度な域に達しているというか…。

キララ「ま、だから、適当にやりゃいいってもんじゃねぇというね(笑)。印象としてはテキトーな印象を与えたい時でも、やっている側としてはそれなりに考えていたりして。表面上の変さや過激さでスカムと呼ぶことが多いんですけど、実はもうちょっと奥深いんですよ」

オシリペンペンズはもちろん、ソロでも『伝説の夜』などに出演していた中林キララ(2026年6月21日 難波ベアーズ 撮影:はたさちお )

――スカムも一枚岩ではないですもんね。

ハマジ「例えば、最初の山本さんの世代のスカムと松本亀吉さんとかの時代のスカムは違うと思うし。その後のスギムさんとかの時代のスカムは、さらにまた違うと思う。良い悪いとかではなく、そういう微妙な部分をどこで捉えるか、表面的なところだけじゃなくて、その奥にあるところまで捉えるかってことじゃないですかね。だから、ノイズとかにしても、音楽をちゃんと聴いてない人はただブワーッと鳴らしてるだけやんと捉えてる人の方が多いと思うんですけど、そんなことはないじゃないですか?そういう領域でのスカムの話もあるってことですね」

キララ「だから、ノイズ/スカムっていうのが一番難しい。20年近く前に一回だけイギリス行った時に、もうなんか適当に即興やってるみたいな人が結構出てきたんですよね。日本でもいるっちゃいるし、あんまり人のことは言えないけど…」

ハマジ「即興やノイズに関しては、ベアーズのレベルの高さを感じますね」

難波ベアーズ、この地での最終公演となったのは、山本精一らによるミュージカル『水道メガネ殺人事件』(特別バージョン)(2026年8月6日難波ベアーズ 撮影:Lmaga.jp編集部 )

◆ 最後の最後の公開オーディションに現れた「凄い音楽してるヤツ」

――あと、現店舗での営業を終わる直前に、急きょ公開オーディション(7/28)を開催していたのも興味深かったですが、良い人いましたか?

ハマジ「100組くらい応募があって、5組に出てもらったんですけど、みんなめっちゃ良かったですよ。特に、山梨のフライングダイミョウ。わかりやすく大雑把に説明すると、長谷川白紙EYEさんが合体したような感じで、音源上ではすでに有名っぽかったですけど、肉体的なライブ感もあったのが衝撃的でスゲェなコイツと思いました。また普通にKK manga の企画とかで呼びますわ、絶対」

――最後にもそんなベアーズらしい逸材の発見が。

ハマジ「弾き語り/即興の石原蒼くんも良かったし、あみだクジで順番を決めてNosexhikakinがトリになったんですけど、それが最も従来のベアーズの公開オーディションっぽかったですね。たぶん何も楽器も弾かれへんし曲もないけど、やるしかねぇという気持ちだけで出て、妙なサイケデリック感があるステージで面白かったです」

キララ「それは何歳くらいの人?」

ハマジ「17とかですよ」

キララ「若い!それは期待できる」

ハマジ「だから、最終日じゃなかったけど、最後の公開オーディションまで、ベアーズにしか出られへんような変わったライブをしてる人たちが出てて、そういう流れがずっと繋がって、今も続いているということは、伝えておきたいです」

あふりらんぽ、オシリペンペンズ、そしてKK manga 、それぞれのベアーズ観があった(2026年8月6日 撮影:Lmaga.jp編集部 )

なお、ベアーズは9月現在、新たなスペースでの営業再開に向けて、それが可能なロケーションを探している。ハマジによると、「まだまだ『物件探し中』で、情報ガンガン募集中です」ということで、条件に見合った場所を発見/紹介してくれた方には、賞金50万円が贈られることになっている。もし思い当たる場所などをご存じの方がいれば、現存しているベアーズのホームページに記載されたメールアドレスなどから、スタッフに連絡してみてください。

∸ライブ情報∸

《オシリペンペンズ出演》
『こんがりおんがく祭2026』2026年11月14日 大阪「大阪城音楽堂」
出演:cero、kanekoayano、Summer Eye Sound Syndicate、neco眠る、DODDODO BANDほか

《オシリペンペンズ 中林キララ出演》
・架空映画音楽団ダヴェオラピッタ・オルケスタ 第一回演奏会「A Cinematic Evening in Kyoto」2026年9月13日 京都「UrBANGUILD」

《あふりらんぽ ONI(Dojo Squeeze)、PIKA☆(ソロ)》
「Mountain Market 2」2026年11月3日 大阪「Club Daphnia 」
出演:水内義人、佐伯誠之助、中田粥 x 鳴瀧 x 煙巻ヨーコ、自炊 他出演多数

《あふりらんぽ ONI(スーパーオギャー)出演》
・「2026古代稲を愛でる会」2026年9月13日 奈良「国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区」
・「HoipoiポイのHoipoiポピー!」2026年9月14日 東京「高円寺Hoipoi」※ソロ
出演:DJ 中納良恵(EGO-WRAPPIN’)、 DJ 田中克海(民謡クルセイダーズ)、KOPY、あやまんJAPAN
・「世果報藍風 -Yugafu ai Kaji- CD RELEASE PARTY」2026年9月22日 大阪「Corner Stone Bar」※ソロ
出演:稲嶺幸乃×AKIO NAGESE 他
・『りんご音楽祭』2026年9月26日 長野県松本市「アルプス公園」
出演:Zα SAVAGE、SIRUP、どんぐりず、 あっこゴリラ、大沢伸一、TOMMY(BOY)、珍盤亭娯楽師匠 他出演多数
・『さばえまつり』2026年9月27日 福井県鯖江市 「西山公園 芝生広場」
出演:滞空時間 スモールフォーメーション5、イマジン盆踊り部 他
・「MASHUP FESTIVAL kobe’26」 2026年10月24日 神戸「TOTTEI PARK」 他 神戸ベイエリア複数会場
出演:Zα SAVAGE、石野卓球 、大黒摩季、 EGO-WRAPPIN’、氣志團 、ETSU & CHIHARU from TRF 他出演多数
・「sopotuo」 2026年10月31日 愛知「club(O)Utopos」※ソロ
出演:Zα SAVAGE、佐久麻瞬太郎

《あふりらんぽ PIKA☆(Moon♀Mama)出演》
・音凪企画15周年記念『約束の満月』前夜祭 2026年9月25日 大阪「音凪 音食堂酒場」
出演:白崎映美×坂本弘道

《KK manga 出演》
・2026年9月27日 京都「京都大学吉田寮」
・「四日市別世界」2026年10月10日 三重県四日市「at VORTEX」
出演:antoniothree、Jiménez、新宿アウトロー、ロボ宙 (OMIYAGE) 、DARKTICS (2YANG & MANOWAR)、やっほー
・『未来祭2026』 2026年10月23日、24日、25日 京都「京都大学吉田寮食堂」
出演:山本精一、天国注射、メシアと人人、やっほー、台風クラブ、植野隆司(Tenniscoats)、neco眠る 他出演多数
・2026年11月8日 大阪「心斎橋HOKAGE 」
・2026年11月18日 大阪「心斎橋HOKAGE 」
・2026年11月28日 岡山県苫田郡「赤壁邸」
・2026年12月12日 大阪「Club Daphnia 」

KK mangaがリリースした『Live at Namba BEARS』は、の2026年6月2日ベアーズでのライブを収録したライブ音源。ベアーズの「床」の写真を使ったジャケット画像にも注目
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