徹夜するために…約600人!?「ジュンク堂」のオールナイトイベント開催、深夜にひたすら“読書”

1時間前

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。窓の近くや通路には簡易椅子やレジャーシートが並ぶ。まるでキャンプやお泊り会のような雰囲気(8月22日)

(写真24枚)

「丸善ジュンク堂書店」が、池袋本店・大阪本店・那覇店の3店舗にてオールナイトイベント『ミッドナイトジュンクラブ』を同時開催。閉店後の書店を会場に、8月22日の午後9時から翌23日の午前6時まで、約600人の本好きたちが読書や各種プログラムを楽しんだ。

■ 約600名が参加、本好きによるオールナイトイベント

閉店後の書店でゆっくり本を読む『書店に住んでみる』というイベントを、2014年から計9回実施してきた「丸善ジュンク堂書店」。そんな同店が50周年を迎える節目で今回、特別編となる大規模なオールナイトイベントの開催が決まった。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子(8月22日)

東京・沖縄でも同時開催されるなか、大阪ではオフィス街の中心にある「大阪本店」(大阪市北区)の2階・3階フロアが会場に。この日、イベントに参加したのは約600名。同店が入るビル「堂島アバンザ」の正面玄関前には21時ごろから参加者による長蛇の列ができており、早くも熱気が伝わってきた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。開場の21時頃はビル前に長蛇の列が(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。開場の21時頃はビル前に長蛇の列が(8月22日)

前身イベント『書店に住んでみる』では文字通り朝まで書店に滞在し、好きな本を読むというのがメインだ。今回はそれに加え、各フロアの売り場やエレベーターホールに会場を設け、作家によるトークイベントや書店員体験、本のおすすめ会、3会場同時読書会、「Nib 北浜ポート焙煎所」のオールナイトカフェ営業などさまざまなプログラムが実施された。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場でイベント終了まで営業していたカフェ「Nib 北浜ポート焙煎所」のカスカララテ。この日のためのメニューや装飾もあり、こちらも行列ができるほどの人気だった(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場でイベント終了まで営業していたカフェ「Nib 北浜ポート焙煎所」のカスカララテ。この日のためのメニューや装飾もあり、こちらも行列ができるほどの人気だった(8月22日)

■「通路に座って読書」がOK、深夜の書店を満喫

21時半ごろ、いつもならすでに閉店している時間帯だが、同イベントではここからが本番。会場は「店のなかが明るくて変な感じ」「こんなにいっぱいいるんだー」など、ワクワクした様子の参加者で賑わっていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。2階のエスカレーター付近には休憩所を設置。飲食をしたり、一息付く人も(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。2階のエスカレーター付近には休憩所を設置。飲食をしたり、一息付く人も(8月22日・深夜3時頃)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。窓の近くや通路には簡易椅子やレジャーシートが並ぶ。まるでキャンプやお泊り会のような雰囲気(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。窓の近くや通路には簡易椅子やレジャーシートが並ぶ。まるでキャンプやお泊り会のような雰囲気(8月22日)

参加者の大多数がジュンク堂店内で夜を明かすことになるため、簡易椅子やレジャーシートで自分のスペースを作る人も。日中の営業時間内なら許されない「通路や本棚の横に座って本を読む」という行為がこの場では当たり前という、新鮮な光景が広がっていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。小説家・綾辻行人氏と有栖川有栖氏によるトークイベントの様子。ブース内にはみっちり人が(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、小説家・綾辻行人氏と有栖川有栖氏によるトークイベントの様子。ブース内にはみっちり人が(8月22日)

会場ごとに内容は異なり、小説家・綾辻行人氏と有栖川有栖氏によるトークイベントや、「書店員体験」として書店のフェアを作るワークショップ、神戸の企業・フェリシモの「ことば部」が主催する本のおすすめ会など、いずれも読書家や書店好きにはたまらないプログラムが組まれていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。スタッフはフェリシモの社員でことば部の部員たちで構成される。自社製品であるパジャマを着用していた(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、フェリシモの部活動・ことば部による初のリアルイベント「本のもちより会」の様子。「真夜中」や「ラブ」など、テーマに沿った本をオススメし合う(8月22日)

また担当者によると、関西ならではの企画も意識したという。ホラー作家・田辺青蛙氏による「大阪怪談」を語るイベントや、京大ミステリ研出身の作家による座談会、社会学者・岸政彦氏と作家・柴崎友香氏の共著『大阪』のトークショーなど、「大阪本店」だからこそのプログラムも。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、エレベーターホールでは、豪華映画監督によるトークイベントも開催(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、エレベーターホールでは、豪華映画監督によるトークイベントも開催(8月22日)

大阪在住ライター・スズキナオ氏は、自身が提唱者のひとりである「チェアリング(椅子を持ち寄り、好きな時間を過ごすこと)」に関するトークイベントに登壇。実際にマイ椅子を持って話を聞く参加者もおり、和やかな時間が流れていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。ライター・スズキナオさんによる「チェアリング」イベント(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。ライター・スズキナオさんによる「チェアリング」イベント(8月22日)

イベントを終えたばかりのスズキ氏は「面白かったですね。本好きの方がたくさんいる環境で。スタッフさんは大変だと思うんですが…(笑)。このあとは、岸さんと柴崎さんのトークを見てこようと思います」と、自身もイベントを楽しんでいる様子だった。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。閉館後のビルで灯りがともる「大阪本店」(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。閉館後のビルで灯りがともる「丸善ジュンク堂書店 大阪本店」(8月22日)

■ 深夜3時でも盛況…それぞれの過ごし方

夜も更けるとさすがに疲れる人も出てくるのでは…と思いきや、会場はますます熱気を帯びていく。会場ではレジを開放しており、本やグッズの購入も可能なのだが、日付が変わってもレジには絶えず列ができており、昼間と見紛うような空間になっていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。読書インフルエンサーの土肥優扶馬さんとしんやさん。2人はオススメ本をプレゼンする「めっちゃ好きな本大交換会」を開催した(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、読書インフルエンサーの土肥優扶馬さんとしんやさん。2人はオススメ本をプレゼンする「めっちゃ好きな本大交換会」を開催した(8月22日)

また読書インフルエンサーの土肥優扶馬氏としんや氏が主催する『めっちゃ好きな本大交換会』は自分の好きな本を互いにプレゼンするという内容で、深夜0時に関わらずブースは満員。プレゼンタイムが始まると、参加者は本を片手に熱弁をふるい、深夜とは思えない盛り上がりになっていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。窓の近くや通路には簡易椅子やレジャーシートが並ぶ。まるでキャンプやお泊り会のような雰囲気(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。窓の近くや通路には簡易椅子やレジャーシートが並ぶ。まるでキャンプやお泊り会のような雰囲気(8月22日)

そして深夜1~2時ごろになると腰を据えて本を読む人が続々と増え、プログラムの待機中やカフェの注文待ちに本を読む人もいるほど。コミックス売り場で簡易椅子に座りつつ読書をしていた女性は、「前はもっと人数が少なかったので、びっくりしました。こういう場所で本が読めるのはなかなかないことですよね」と語った。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。ロフテーの枕を試しながら、読書ができるブースも(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。ロフテーの枕を試しながら、読書ができるブースも(8月22日)

さらに同店にある「大阪・関西万博 オフィシャルストア」のグッズ売り場コーナー付近では、万博でおなじみとなった折りたたみチェアに座って本を読む人や、ミャクミャクのマスコットをつけている人もちらほら。これもある意味“推し活”と言えるのかも知れない。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。「大阪・関西万博 オフィシャルストア」。夜が更けるにつれ、この売り場で過ごす人が増えていた(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場にて、3階にある「大阪・関西万博 オフィシャルストア」。夜が更けるにつれ、この売り場で過ごす人が増えていた(8月22日)

せっかくなので筆者も腰を下ろし、以前から気になっていた本を手に取り読書タイムを楽しんでみることに。通路に座り、本棚に背中を預けて読書にふける時間は、普段の書店では味わえない非日常そのものだった。

夜3時になっても眠っているような人はほぼおらず、ひたすら読書に集中したり、本好き同士の交流を深めたり、それぞれが本や書店という空間を愛する時間が流れていた。

『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。池袋・大阪・那覇の三都市を繋ぐ「深夜の秘密の読書会」で、ポール・オースターの傑作『ガラスの街』を読む人々(8月22日)
『ミッドナイトジュンクラブ』大阪会場の様子。池袋・大阪・那覇の三都市を繋ぐ「深夜の秘密の読書会」で、ポール・オースターの傑作『ガラスの街』を読む人々(8月22日)

『ミッドナイトジュンクラブ』日時:2026年8月22日(土)21:00~23日(日)6:00、大阪会場:丸善 ジュンク堂書店 大阪本店(大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ2・3階)

取材・文/つちだ四郎 写真/Lmaga.jp編集部

『ミッドナイトジュンクラブ』

日時:2026年8月22日(土)21:00~23日(日)6:00
大阪会場:丸善 ジュンク堂書店 大阪本店(大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ2・3階)

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