万博閉幕後も愛され続け……本町駅の非公式“常設展示”「ミャクミャクステーション」、4月29日で終了

7時間前

非公式の常設展示としてファンに親しまれた『本町ミャクミャクステーション』(4月23日撮影)

(写真11枚)

「通勤のときの癒やしだった」「見る度に増えててほっこりした」など、行き交う人々が思わず足を止め、ふっと表情を緩める──そんな心温かい場所として親しまれてきた、Osaka Metro(大阪メトロ)御堂筋線「本町駅」の『本町ミャクミャクステーション』が、4月29日に幕を下ろす。

■ 駅員の発案で生まれた“ミニ万博”、約50体展示

『大阪・関西万博』の公式キャラクター「ミャクミャク」を中心に、ドイツ館のマスコット「サーキュラー」やアメリカ館の公式キャラクター「スパーク」などの海外パビリオンのキャラクターや、2027年国際園芸博の「トゥンクトゥンク」、愛・地球博の「モリゾー」「キッコロ」までが肩を並べる光景は、まるで小さな万博会場のようだった。

海外パビリオンのキャラクターや電動でぐるぐる回る黄金のミャクミャクも(4月23日撮影)
海外パビリオンのキャラクターや電動でぐるぐる回る黄金のミャクミャクも(4月23日撮影)

このぬいぐるみの展示が始まったのは、2025年7月。もともと同じ場所では電車の運転台を模した展示がおこなわれていたが、万博に向かう乗客が多く利用する駅という特性から、「ワクワクした気持ちで会場へ向かってもらえないか」と駅員の発案によって形になった。

(左から)8月5日撮影した「本町ミャクミャクステーション」。8月25日、海外パビリオンの仲間が増えてきた。8月30日、さらに増えていく仲間たち(写真提供:Osaka Metro)
(左から)8月5日撮影した「本町ミャクミャクステーション」。8月25日、海外パビリオンの仲間が増えてきた。8月30日、さらに増えていく仲間たち(写真提供:Osaka Metro)

展示を彩るぬいぐるみの一部は、海外パビリオン関係者から寄付されたものもある。本町管区駅長の柳坂一郎さんは感謝をにじませながら、発案した社員自身も色違いのぬいぐるみを買い足して展示に加えるなど、熱意を持って細やかな工夫を重ねてきたと明かす。そうして集まった約50体の仲間たちは、いつしか訪れる人々を迎える“もう一つの駅員”のような存在になっていった。

(左から)9月30日、閉幕へのカウントダウンも表示。10月13日、閉幕カウントダウンが「0」になった閉幕日(写真提供:Osaka Metro)
(左から)9月30日、閉幕へのカウントダウンも表示。10月13日、閉幕カウントダウンが「0」になった閉幕日(写真提供:Osaka Metro)

「ここまで大きな反響をいただくとは、正直思っておりませんでした」と柳坂さん。非公式の“常設展示”でありながら、SNSを通じて話題は広がり、万博ファンの間で知られるスポットに。

「あらためて、万博への関心の高さと、ミャクミャクがたくさんの方に親しまれていることを実感しています」と語る言葉には、驚きと喜びがにじむ。

■ SNSに背中押され、「続けてよかった」

万博閉幕後も展示が続いたのは、そうした声に背中を押されたためだ。足を止めて写真を撮る人々の姿に触れるたび、「私たち駅員も心が和み、自然と笑顔になりました。続けてよかったと感じています」と振り返る。駅という日常の場所に生まれた小さな交流は、確かに人と人との距離をやわらかく結び続けてきた。

(左から)10月27日、帽子や衣装を着せて、ハロウィーン装飾も。11月6日、万博閉幕後もミニ万博のような楽しい展示は続く(写真提供:Osaka Metro)
(左から)10月27日、帽子や衣装を着せて、ハロウィーン装飾も。11月6日、万博閉幕後もミニ万博のような楽しい展示は続く(写真提供:Osaka Metro)

今回の終了は、万博開幕から1年という節目を踏まえた判断。「多くの人に親しまれてきたミャクミャクへの感謝と敬意を込めた区切りでもある」と説明する。

「本町駅でのひとときや万博の思い出の一つとして、ミャクミャクステーションが皆様の記憶に少しでも長く残っていましたら幸いです。これまで多くの方に親しんでいただき、心より御礼申し上げます」と締めくくった。

展示の終了を告げるポスターの周辺にはファンからのメッセージも(4月27日撮影)
展示の終了を告げるポスターの周辺にはファンからのメッセージも(4月27日撮影)

■ 見納めに多くの人、SNSにあふれる感謝の声

展示終了の知らせを受け、見納めに訪れる人が後を絶たない。ポスター付近にはファンからのメッセージも貼られ、SNSには「万博が終わった後もありがとう」「こんなに楽しめるコンテンツを用意してくださった駅員さんに感謝しかない」といった声が相次ぐ。『本町ミャクミャクステーション』は、行き交う人々の記憶の中で、これからも静かに息づき続けていきそうだ。

取材・文・写真(一部)/西部マキコ

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