宝塚退団20周年 湖月わたる「もう一度会いたかった役」に「社会人の幼馴染」荻田浩一と挑む

実は荻田と湖月の「宝塚バウホール」タッグも初!公演には、朴璐美も出演し、華を添える。「朴さんが宝塚バウホールの舞台に立たれるんだよ!」と荻田と湖月は興奮気味 撮影:KIE MURAI
■『マイ フレンド ジキル』での発見を経て、振付に挑戦

――ショーのほうも含め、これから本格的な創作が始まっていくのかと思うのですが、湖月さんご自身にとって、何か新たな挑戦はありますか。
湖月「今回、何曲か振付を担当させていただくことになりました。昨年『マイ フレンド ジキル』で、ロンドンで活躍されている益井悠紀子さんの振付を初めて踊ったのですが、振りをいただくたびに役が立体的になり、踊り込むほどに感情とシンクロしていくような感覚があって、とても感銘を受けたんです」
――語りと踊りをミックスした『マイ フレンド ジキル』では、コンテンポラリーダンスの要素がある踊りを、役としてドラマティックに踊られていましたね。
湖月「ぜひ益井さんに直接指導を仰ぎたいと思い、本作のお稽古に入る前に、短期間ですがロンドンに伺い、いろいろ学ばせていただきます。その経験を生かして今回の振付に挑むのは、私にとって大きな挑戦です」
■「お互い変わっていない」安心感
――退団後、湖月さんと荻田さんは「ダンスミュージカル 『絹の靴下-Silk Stockings-』(2010年)や、宝塚OG公演『DREAM,A DREAM』(2013年)でもご一緒されましたが、当時を振り返るといかがですか。
荻田「僕はよく、宝塚の同じ時代を生きたOGの方とお仕事する機会があるのですが、何も変わってない…」
湖月「そう、何も変わってないんですよ! おぎちゃんのこだわる部分がやっぱりあって、私はそれを習得したいと思っていました。自分の役に関するところは必死だったのですが、別の方の演出をおぎちゃんがしているときに、「やっぱりおぎちゃんだ!」と思う瞬間がいっぱいありましたね」
荻田「(笑)」

湖月「その人の良さと作品を丁寧にすり合わせながら作っていかれる姿が、やっぱり素敵だなーと思って見てました」
荻田「「変わらない」と言うと、アップデートしてないと思われるかもしれないけど、お互い退団後、環境も関わる人たちも変わっている。そのなかで、不器用ながら宝塚以外の場所に適応しつつ、根本は変わってないという感じですね(笑)」
湖月「安心感がありました」
荻田「宝塚のままではいけないけど、別に宝塚時代を否定するつもりはないし。もともとある、宝塚で培った良さに、いろいろなものを足していけばいいのではないかな、と思います」
湖月「そうですね」
■ トップスターを近くで見つめてきたからこその荻田流観点

――荻田さんが今後の湖月さんに期待されていること、見てみたい作品や役はありますか?
荻田「なんだろうな~、大家族ものの長老、族長みたいなのを見てみたい。男役のトップスターさんは自己犠牲的な魅力、側面があると思っていて。ひとりで背負わなきゃいけないものがあるから、みんな毅然とした魅力があるので、大家族の大河ドラマみたいなのが見てみたいですね」
湖月「大家族ものの族長!」
荻田「『8月の家族たち』とかね。僕の演出家デビュー作で、わたるの初主演となった『夜明けの天使たち』が、西部劇のガンマンの物語だったのは、やっぱりわたるにはパーンとした明るさもあるけど、どこか孤独な部分も持ち合わせていて、それが魅力だと思ったから。耐えて耐えて生き延びる、みたいなのも似合うと思う」
湖月「あー、なるほど」
荻田「重厚な歴史ドラマとかね」
湖月「いいですね!」

――先ほど湖月さんは「これが始まりになるかもしれない」と仰っていましたが、今後も荻田さんと作品を作っていけたらという思いがありますか?
湖月「はい! ご縁が続いていけばいいなと思います」
荻田「お仕事の分野で、若かりし20代の頃にずっと一緒にいた人たちを、「社会人としての幼馴染」という言い方で僕は呼ぶんですよ。いろんなことを抜きにして、永遠の仲間なのでね」
湖月「そう、永遠の仲間です!」
荻田「それがたまに、仕事として実を結ぶといいよね。今回、わたるの退団20周年という晴れがましい舞台でご一緒できるのは、すごくうれしいしありがたいこと。心配はないし安心はしているけど、安心だけじゃダメだから、お互い奮起して頑張りましょう!」
湖月「頑張ります!」

◇ ◇
荻田浩一が構成・演出をする、湖月わたる 宝塚歌劇団退団20th Anniversary『TUMBLEWEED(タンブルウィード)』は、2026年11月に、「宝塚バウホール」(兵庫県宝塚市)、「よみうり大手町ホール」(東京都千代田区)、「御園座」(愛知県名古屋市)で上演される。日程などの詳細は後日発表。
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